2010年08月26日-1
12月末で廃止される住宅資金の社内融資の課税特例

 2010年度税制改正では租税特別措置の大幅な見直しがあり、そのなかで給与所得者等が住宅取得資金の貸付け等を受けた場合の課税の特例が今年12月31日の適用期限の到来をもって廃止される。同特例は1966年に創設され、約43年間にわたって企業の福利厚生の一環として活用されてきたが、ここ数年の景気悪化からの社内融資制度や利子補給金制度の実施企業数の減少に加え、住宅ローン控除と併用できることなどから廃止が決まった。

 同特例は租税特別措置法(第29条)に規定されており、給与所得者等が自己の居住の用に供する住宅等の取得をする際に、使用者等から受ける一定の経済的利益等について非課税とするものだ。この場合の経済的利益とは、具体的にまず、(1)住宅等の取得に要する資金に充てるため、その使用者から無利息または低い金利による利息で受けた場合における経済的利益、が挙げられる。

 また、(2)住宅等の取得に要する資金を金融機関等から借り受けている場合の利子の支払いに充てるため、その使用者から利子の全部または一部に相当する金額を受けた場合の利子補給金、(3)勤労者財産形成促進法に基づき、その使用者や事業主団体が講ずる負担軽減措置により受ける経済的利益または補給金も挙げられており、これらに係る所得税は非課税とされている。

 これらの非課税措置が12月末で廃止されるが、経過措置が講じられており、例えば、上記(1)では、2010年12月31日以前に使用者から無利息または低い金利による利息で受けた場合の経済的利益については、2011年1月1日以後の期間に係るものであっても非課税とされる。なお、2011年1月1日以後に受ける上記(1)~(3)に関する経済的利益等については、同特例の廃止に伴い、以後は一般に給与等として所得税が課されることになる。

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