2010年08月23日-2
今年6月末の「国の借金」、初めて900兆円を突破

 財務省がこのほど公表した2010年6月末時点での国債や借入金などを合計した「国の借金」は904兆772億円となり、過去最高を記録していた前回発表の2010年3月末時点(882兆9235億円)を21兆1537億円上回り、900兆円を初めて突破した。地方が抱える長期債務残高は2010年度末で約200兆円程度と見込まれており、国と地方を合わせた借金は、大台の1000兆円を軽く突破する状況にある。

 昨年3月末に比べ、国債は約13兆円増の約733.8兆円で全体の約81%を占め、うち普通国債(建設国債+赤字国債)は、不況による税収不足を補うために増発した影響で約12兆円増の約605.8兆円と過去最高となった。借入金は3月末に比べ約1.3兆円減の約55.1兆円と減少したが、一時的な資金繰りに充てる政府短期証券は約9.2兆円増の約115.2兆円、財政投融資特別会計国債も約1.6兆円増の約123.8兆円と、いずれも増加している。

 この「国の借金」904兆772億円は、2010年度一般会計予算の歳出総額92兆2992億円の約9.8倍、同年度税収見込み額37兆3960億円の24.2倍である。年収500万円のサラリーマンが1億2100万円の借金を抱えている勘定だ。また、わが国の今年8月1日時点での推計人口1億2739万人(総務省統計、概算値)で割ると、国民1人あたりの借金は、3月末時点の約693万円から約710万円に膨れ上がる。

 なお、公債残高(普通国債残高)は、2009年度末実績での594兆円から2010年度末(当初予算ベース)には637兆円程度に膨らむと見込まれている。この2010年度末公債残高の約637兆円は、国民1人当たり約499万円、4人家族で約1998万円となる。また、2010年度予算では、税収不足を補うため、44.3兆円の新規国債発行を予定しており、2011年3月末の国の借金は973兆円に達すると予想されている。1000兆円の大台も目の前だ。

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