2010年08月16日-3
「公認会計士制度に関する懇談会」が中間報告

 金融庁内に設置された公認会計士制度に関する懇談会(座長:大塚耕平内閣府副大臣)はこのほど、公認会計士制度改革に向けた中間報告書をまとめ、同庁ではこれをパブリック・コメントに付した。「試験合格しても公認会計士となるための資格を取得できない者(待機合格者)等への対応」、「グローバル化等の環境変化に対応した監査・会計分野の人材育成」が骨子。意見募集の締切りは9月2日。

 現行の問題点として提起されているのは、公認会計士の資格取得のためには実務経験(就職)が不可欠だが、現状では無職で受験に取り組んできたいわゆる「受験浪人」の合格者が多く、合格者(平均年齢26~27歳)が就職活動を行う時期は、監査業界や経済界等の採用慣行と合っていないこと、また、結果的に、合格しても資格取得に必要な実務経験を得られない者が発生することなどだ。

 この「待機合格者をできるだけ出さない対策」として、1段階目試験(短答式)の合格から、例えば2年間は実務経験なしで2段階試験(論文式)を受験できる。ただし、2段階目試験の合格までに時間がかかる者は(例えば3年以上)、2段階目試験の前に実務経験を得ることを求める。また、働きながらの受験や資格取得を促進するため、実務経験を得た者の科目別合格等の有効期間を、例えば10年間延長することなどを提案している。

 一方、人材育成等では、「監査をできる公認会計士」に至る前の段階の資格として、非監査サービスや企業内実務を担う会計の専門資格として、例えば「財務会計士(仮称)」を創設、資格取得者には日本公認会計士協会への入会を義務付け、倫理規定を適用することを検討する。そのほか、監査法人の非監査サービスの改善の方策の検討や、公認会計士となる要件の厳格化などの対策を提起している。

 同中間報告書の全文は↓
 http://www.fsa.go.jp/news/22/sonota/20100804-4/01.pdf

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