2010年08月02日-3
日商、法人実行税率の引下げなど11年度改正へ要望

 日本商工会議所はこのほど、「2011年度税制改正に関する意見」を取りまとめ、政府・政党など関係各方面に提出した。意見書では、「新成長戦略と財政運営戦略を、一体的に実行し、財政健全化を着実に推進すべき」との考え方を示し、新成長戦略の実施に向けた税制改正の具体策として、「法人実効税率の引下げ」、「中小法人の軽減税率の11%以下への恒久化と適用所得金額の大幅な引上げ」などを要望した。

 法人実効税率については、わが国の研究開発拠点等の海外流出を防止し、わが国に立地する企業の国際競争力の強化や対日投資の活性化を図る観点から、できるだけ速やかに引き下げるべきだとした。また、中小企業の軽減税率についても、中小企業の経営基盤を強化し、競争力の向上を図る観点から、11%以下に引き下げて恒久化するとともに、適用所得金額(800万円)については大幅に引き上げることを求めた。

 租税特別措置については、中小企業向けなど経済成長に資するものは、維持すべきと主張。研究開発促進税制の拡充、2010年度末で適用期限となる人材投資促進税制の拡充・延長、中小企業等基盤強化税制の延長などを求めた。地球温暖化対策税については、他の施策と一体的に検討されるべきとして、単なる財源確保を目的とした環境を名目とする新たな税負担増には反対の立場を示した。

 税制抜本改革に対する考え方については、中長期的な歳出入の見通しなどの総合的な検討を経ずに、消費税の税率やタイミングを議論すべきでないと強調。危機的な財政赤字の状況や今後の社会保障給付費などの伸びを考慮し、消費税を仮に引き上げる場合であっても、景気回復やデフレ解消について、十分検討するとともに、価格転嫁の問題、複数税率の回避、逆進性対策に万全を期すべきことを強調している。

 同意見書の詳細は↓
 http://www.jcci.or.jp/20100715_zeiseiiken.pdf

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