2010年07月26日-1
財務省、JT社のたばこ価格の引上げを認可

 2010年度税制改正において、過去最高となる1本あたり3.5円のたばこ税の引上げが決まり、今年10月1日から実施される。愛煙家にとっては禁煙や節煙の判断を迫られそうな大幅な引上げとなるが、財務省は7月16日、日本たばこ産業株式会社(JT)から申請のあったJT製品に係る小売定価の変更について、たばこ事業法第33条第2項に基づき認可を行ったことを明らかにした。

 たばこ税は、今まで税収確保のため1986年以降4回引き上げられており、その引上げ幅は1本当たり0.82円~0.9円で、現行の税額は約8.7円。今回の引上げは、「国民の健康の観点から、たばこの消費を抑制するため、将来に向かって、税率を引き上げていく必要がある」との理由から、たばこ1000本当たり3500円とする税率の引上げが行わるため、JTが4月28日にたばこの値上げを財務大臣に申請していた。

 小売定価の改定は、紙巻たばこ100銘柄、かぎたばこ2銘柄、刻みたばこ1銘柄の合計103銘柄となる。銘柄でみると、マイルドセブンなど現行300円の33銘柄が410円、ピアニッシモなど現行320円の18銘柄が440円、セブンスター・ピースなど現行300円の14銘柄が440円、キャスターなど現行290円の10銘柄が410円、ホープなど現行150円の5銘柄が220円に、それぞれ値上げとなる。

 JTによると、例えば現在300円の20本入りマイルドセブンの110円の値上げ内訳は、増税分の70円に加え、販売店へのマージン増加分が11円、消費税で5.2円の合計86.2円が必要経費。残りの約24円分については近年の原材料費の高騰分をこれまで価格に転嫁してこなかったことや、今後の大幅な需要減に伴う固定費の増加分を吸収する必要があるためと説明している。

 たばこ税の引上げによる増収額は、初年度となる2010年度が525億円、2011年度以降は1232億円と試算されているが、今回の増税(3.5円/本)は、過去の4回の引上げに比べ例のない大幅なものであり、過去の増税時を上回る大幅な販売数量の減少が予想される。愛煙家にとっては肩身の狭い喫煙環境にあるなか、この値上げ分がますますたばこ離れに拍車をかけるとみる向きも少なくない。

 銘柄別の小売価格改定の詳細は↓
 http://www.mof.go.jp/jouhou/sonota/sio_tbk/20100716_press.pdf

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