2010年07月22日-2
グループ法人税制導入を受けた法基通改正を公表

 国税庁はこのほど、グループ法人税制の導入など2010年度の法人税関係法令等の改正に対応した法人税基本通達の一部改正を公表した。主な改正点は、(1)100%グループ内の法人間の取引等、(2)受取配当等の益金不算入、(3)完全支配関係がある内国法人間の寄附金・受贈益、(4)期限切れ欠損金の損金算入、(5)中小企業向け特例措置の大法人の100%子法人に対する不適用など、グループ法人税制の導入を受けたもの。

 グループ法人税制では、(ア)完全支配関係がある内国法人間で行った一定の資産の移転による譲渡損益について、一定の事由が生じるまでその損金または益金算入を繰り延べる、(イ)完全支配関係がある内国法人間の寄附について、支出法人において寄附金の額を全額損金不算入とするとともに、受領法人において受贈益の額を全額益金不算入とする、等の措置が講じられている。

 これらの措置は、完全支配関係の有無がポイントとなる。例えば、完全支配関係を有するに至る原因が株式の購入である場合の「完全支配関係を有することとなった日」とは、株式の購入に係る契約の成立した日、あるいは株式の引渡しの日等のいずれの日をいうのかという疑問が生じる。この点について、改正通達は、「完全支配関係を有することとなった日」とは、その株式の引渡しがあった日とすることを明らかにしている。

 改正通達では、100%持株関係を判定する場合の「完全支配関係を有することとなった日」とは、その法人を支配することができる関係が生じた日をいい、株式の購入については、株式の購入に係る契約が成立した日ではなく、その株式の株主権が行使できる状態になった日、すなわち、その法人の発行済株式のすべての引渡しが行われた日をいうものとすることが適当であるとの考えを示している。

 また、この考え方は、「支配関係を有することとなった日」の判定にも通ずるものであるから、その判定も同様に行うことを併せて明らかにしている。なお、その株式を譲渡した法人におけるその株式の譲渡損益の計上時期は、従来どおり、株式の譲渡に係る契約の成立した日となるので、注意が必要だ。

 その他の主要改正項目は↓
 http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/hojin/kaisei/100630/pdf/00.pdf

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