2010年07月15日-2
少額減価償却資産の損金算入の特例で償却資産申告も

 中小企業者等で、青色申告書を提出する法人が取得等した減価償却資産で、その取得価額が30万円未満である少額減価償却資産を有する場合には、その少額減価償却資産の取得価額相当額につき事業の用に供した事業年度において損金経理したときには、その損金経理をした金額は、損金の額に算入される。これが「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」だが、2010年度税制改正で適用期間が2年延長された。

 一口に少額減価償却資産といっても、次の3種類がある。(1)少額減価償却資産(10万円未満:全額損金算入(即時償却))、(2)一括償却資産(20万円未満:3年間で均等償却(残存価額なし))、(3)中小企業者等の少額減価償却資産(30万円未満:全額損金算入(合計300万円限度))。これらの制度は、資産ごとの選択が可能なため、自社の状況などを考慮して選択する必要がある。

 なお、30万円未満の少額減価償却資産については、2006年度税制改正で、これまで無制限だった取得価額が、300万円を超える場合には、その超える部分に係る減価償却資産を対象から除外することとされている。また、中小企業者等の範囲は、資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人、資本又は出資を有しない法人のうち、常時使用する従業員の数が1000人以下の法人をいう。

 ところで、「30万円未満の少額資産」であっても、この制度はあくまで国税(法人税)に関する制度のため、地方税である固定資産税(償却資産税)では適用されない。上記の分類のうち、(1)の少額減価償却資産及び(2)の一括償却資産については償却資産税の課税はないが、(3)の中小企業者等の少額減価償却資産は、償却資産税の申告が必要になる。資産ごとの選択そして償却資産税の課否を含めた検討が必要だ。

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