2010年06月16日-1
日税連、企業統治における会計参与の役割で意見

 日本税理士会連合会(池田隼啓会長)は、会社法制の見直しを審議している法務大臣の私的諮問機関である法制審議会の会社法制部会に「企業統治における会計参与の役割に関する意見」を提出するとともに、先ごろ行われた同部会の第2回会合に杉下清次日税連会計参与普及推進特別委員長が出席、会計参与が中小企業の現場において業務プロセスの確認・評価、業務の継続的改善の中心的役割を果たしている、と述べた。

 意見では、会計参与は株式会社の内部機関として機能することにより、外部からは決して見えない問題点を発見し、さらには計算関係書類作成に附随して企業経営を正しい方向に導くことにあり、結果的に企業経営を監視し不正行為または法令もしくは定款に違反する行為の防止(健全性)につながる役割及び企業の収益性・競争力の向上(効率性)の契機となる役割を果たしており、企業統治の観点から有効な制度としている。

 また、職務遂行上必要があれば、会計参与設置会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、子会社の業務及び財産の状況の調査を行うことができる。親会社は、子会社株式の評価またはその有する債券の評価等を行って、子会社の実態を計算書類に反映することになる。親会社の会計参与は会計の専門家として子会社の実態を把握し、グループ全体の状況を把握する必要があると、その行動範囲の広さを指摘している。

 しかし、税理士の関与先である中小企業は依然として厳しい経営環境下にあり、会計参与に係る報酬を支払う余裕のある中小企業を依然少なく、これが普及の伸び悩みの一因となっていると指摘。会計参与の普及は企業統治において有効であるため、日税連としても積極的に普及推進していかなければならない、とし、今後関係官庁、金融機関等を交えて会計参与導入によるインセンティブ等について積極的に検討する、としている。

 同意見の全文は↓
 http://www.moj.go.jp/content/000047607.pdf

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