2010年06月10日-2
わが国企業の公的負担率は50.4%と高水準~経産省

 経済産業省は1日に公表した「産業構造ビジョン」のなかで、アジア諸国の法人税率引下げ競争を踏まえ、現在約40%の法人実効税率を25~30%に引き下げることを提言しているが、同省は7日、「企業の公的負担に関する国際比較調査」結果を公表し、わが国企業の総合的な公的負担の割合は50.4%にのぼり、国際的に非常な高水準と主張した。米英よりも10%程度高い法人税実負担率が全体を押し上げる要因と分析している。

 総合的な公的負担率は、法人税負担だけでなく、固定資産税その他の税負担、社会保険料の事業主負担も含めて算出したもの。その結果、わが国企業の総合的な公的負担の割合は実態ベースで50.4%(08年度・09年度を平準化)に達している。アメリカは42.8%(07年12月期)、イギリスは41.6%(09年3月期)、オランダは31.0%(06年12月期)などとなっており、わが国企業の公的負担は「国際的に非常な高水準にある」と主張した。

 公的負担率の内訳のなかで法人税実負担率(法人税等/税引前当期純損益)をみると、特に、アメリカの27.8%やイギリスの22.4%と比べ、わが国は35.5%と10%前後高いのが現状であり、わが国企業の公的負担率を押し上げる最大の要因と分析。また、総合的な公的負担率に占める国税と地方税の構成をみた場合、地方税の割合が全体の約37%を占め、企業にとって大きな負担となっていることも問題視している。

 なお、この調査は、わが国企業の公的負担の動向を把握すべく、自動車や鉄鋼、電機・電子、商社・卸など主要業種の代表企業計95社を対象に実施したもの。1社あたりの国際・国内税務業務に要する諸費用の総額は1億6107万円(うち、国内税務1億1677万円、国際税務4430万円)となっているほか、企業が特に負担に感じている項目としては、税務調査対応や、会計と税法との差異に関する申告調整などが挙げられている。

 同国際比較調査結果の詳細は↓
 http://www.meti.go.jp/press/20100607004/20100607004-2.pdf

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