2010年05月31日-1
IT利用の申告書提出人員は19%増の960万4千人

 2009年分所得税等の確定申告では、所得税の申告書提出件数が2367万4千件で11年ぶりに減少したものの、過去最高だった前年からは0.1%下回るに過ぎない。うち、還付申告者数は1299万3千人と5年連続で過去最高を更新した。こうした2千万人を超える納税者数への対応として国税庁は、確定申告の基本方針として「自書申告」を推進しており、そのためのIT(情報技術)を活用した施策に積極的に取り組んでいる。

 国税庁のホームページ上で申告書が作成できる「確定申告書等作成コーナー」やe-Taxなど、ITを利用した所得税の確定申告書の提出人員は全体で960万4千人にのぼり、2008年分より18.9%増加した。所得税の確定申告書の提出人員(2367万4千人)に占める割合は40.6%にまで上昇している。2007年分からは税務署に訪れる納税者にも利用できるように、相談会場にパソコンを設置したことが、IT利用を促進させた。

 署でのIT利用は、パソコンで申告書を作成して「e-Tax」が427万5千人、同「書面での提出」が37万5千人の計466万千人と前年度に比べ22.4%増。また、自宅などでのIT利用は、「HP作成コーナーで申告書を作成して書面での提出」が214万9千人、「同e-Tax」が48万8千人、「民間の会計ソフトで申告書を作成してe-Tax」が230万6千人の計494万3千人で15.8%増となり、ともに順調に増加した。

 一方、全国拡大後6回目の確定申告となるe-Tax(国税電子申告・納税システム)は、(1)最高5000円の税額控除、(2)添付書類の提出省略、(3)書面提出に比べ還付金を早期還付、などのメリットを積極的に広報するなどの普及拡大に努めた結果、所得税の申告件数が、前年の560万2千件から707万9千件へと26.4%の大幅増加となった。これは、所得税の確定申告書の提出人員全体の約3割にあたる。

 このように、ITを活用した施策を推進する一方で、今年で7回目となる閉庁日における申告相談を2月21日と2月28日の日曜日に、228税務署を対象に、税務署のほか合同会場や広域センターにおいて実施。これらの会場における両日の相談件数は前年比3.2%増の18万3千件、申告書収受件数も3.5%増の26万5千件と、ともに増加はわずかだが、閉庁日対応の効果が十分にうかがえる結果となった。

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