2010年05月20日-2
2008年中相続税の課税割合は5年連続最低の4.2%

 国税庁が19日に発表した2008年分相続税の申告事績によると、2008年1年間に亡くなった人は約114万人だったが、このうち相続税の課税対象となった人数は約4万8千人で、課税割合は4.2%だった。相続で税金がかかるのは100人に4人という状況が続いている。この課税割合4.2%は前年分から横ばいの数字だが、直近において基礎控除額の引上げなどがあった1994年分以降では5年連続の最低水準となっている。

 相続財産額の構成比は、「土地」が49.6%と半数を占め、「現金・預貯金等」21.5%、「有価証券」13.3%の順。土地の構成比は、地価の下落を背景に、1994年分(70.9%)から一貫して減少していたが、2008年分は前年から1.8ポイント上昇した。しかし、相続財産に占める割合が高い土地の評価はいまだ低迷しており、相続財産の課税価格が基礎控除額(「5000万円+1000万円×法定相続人の数」)内でおさまるケースが多いことになる。

 ちなみに、路線価の基礎となる標準宅地の平均額の推移は、1平方メートルあたり25万6千円だった1994年を100とすると、年々減少をたどり、2008年は14年ぶりに上昇した2006年から3年連続で上昇したものの、1平方メートルあたり14万3千円と、いまだ56まで回復したに過ぎない。もっとも、100とした1994年でも課税割合は5.2%だから、もともと相続税の課税割合は低いともいえる。

 2008年中の相続に係る課税価格は、10兆7248億円(対前年分比1.0%増)、これを被相続人1人あたりでみると、2億2339万円(同1.5%減)。また税額は、1兆2504億円(同1.0%減)、これを被相続人1人あたりでみると、2604万円(同3.5%減)となる。また、今回の申告事績は、2009年10月末までに提出された申告書と、株式等納税猶予の特例の創設に伴い申告期限が2010年2月1日までに提出されたものを集計している。

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