2010年05月13日-2
今年3月末の「国の借金」は過去最大の883兆円

 財務省が5月10日に公表した2010年3月末時点での国債や借入金などを合計した「国の借金」は882兆9235億円となり、過去最高を記録していた前回発表の2009年12月末時点(871兆5104億円)を11兆4130億円上回り、過去最大の額となった。地方が抱える長期債務残高は2010年度末で約200兆円程度と見込まれており、国と地方を合わせた借金は、大台の1000兆円を突破する状況にある。

 昨年12月末に比べ、国債は約15兆円増の約720.5兆円で全体の約82%を占め、うち普通国債(建設国債+赤字国債)は、経済危機対策の財源確保や税収減を補うために増発した影響で約17兆円増の約594兆円と過去最高となった。借入金は12月末に比べ約0.07兆円減の約56.4兆円、政府短期証券も約3.7兆円減の約106兆円、財政投融資特別会計国債は財投計画の縮小に伴い約1.5兆円減の約122.2兆円と、いずれも減少している。

 この「国の借金」882兆9235億円は、2010年度一般会計予算の歳出総額92兆2992億円の約9.6倍、同年度税収見込み額37兆3960億円の23.6倍である。年収500万円のサラリーマンが1億1800万円の借金を抱えている勘定だ。また、わが国の今年4月1日時点での推計人口1億2739万人(総務省統計、概算値)で割ると、国民1人あたり約693万円の借金となる。これは、赤ちゃんや子ども、ご老人など未就業者を含めての数字である。

 なお、公債残高(普通国債残高)は、2009年度末実績での594兆円から2010年度末(当初予算ベース)には637兆円程度に膨らむと見込まれている。この2010年度末公債残高の約637兆円は、国民1人当たり約499万円、4人家族で約1998万円となる。また、2010年度予算では、新規政策の財源不足を補うため、44.3兆円の新期国債発行を予定しており、2010年度末には国の借金が973兆円に達すると予想されている。

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