2010年03月18日-1
08年度赤字法人割合は調査開始以来初の7割超に

 国税庁が16日に公表した「2008年度分税務統計から見た法人企業の実態調査」結果によると、2008年度分の法人数は260万3365社で、前年度より0.4%増加した。このうち、連結親法人は748社(前年度比9.2%増)、連結子法人は6257社(同2.1%増)。連結子法人を除いた259万7108社のうち、赤字法人は185万6575社で、赤字法人割合は前年から4.4ポイント増の71.5%となり、1951年分の調査開始して以来初の7割超となった。

 2008年度分の営業収入金額は、前年度に比べ▲9.2%の1419兆5138億円と5年ぶりに減少した。黒字法人の営業収入金額も同▲27.0%の834兆5336億円で5年ぶりの減少、所得金額も同▲36.2%の35兆2209億円と2年連続の減少と、ともに前年を大きく下回り、世界同時不況による業績悪化での企業収益の低迷が鮮明となった。営業収入に対する所得金額の割合(所得率)は、前年から0.6ポイント低下の4.2%となった。

 黒字法人の益金処分総額は前年比▲33.8%の43兆6529億円。内訳は、支払配当が同▲10.3%の10兆3244億円(構成比23.7%)、法人税額が同▲34.0%の8兆9140億円(同20.4%)、その他の社外流出が同▲34.1%の6兆4793億円(同14.8%)で、これらを引いた社内留保が▲42.2%の17兆9352億円と41.1%を占めた。なお、役員賞与は、会社法創設に伴い、2006年5月1日以後終了する事業年度から利益処分項目ではなくなっている。

 一方、2009年3月までの1年間に全国の企業が取引先の接待などで使った交際費は、前年度に比べ▲4.6%の3兆2261億円となり、2年連続の減少となった。このうち、税法上損金に算入されなかった金額(損金不算入額)は同▲3.3%の1兆6108億円と2年連続で減少し、損金不算入割合も、2004年分以来4年ぶりの50%割れとなった前年度に引き続き、前年より0.6ポイント増の49.9%となった。

 営業収入10万円あたりの交際費等支出額は、全体では前年度より11円多い227円で、資本金1千万円未満が631円と高い一方、10億円以上は113円、5千万円以上1億円以下は160円と低い。また、業種別にみると、「建設業」が547円、「不動産業」が478円、「出版印刷業」が424円と高く、一方、「機械工業」が152円、「卸売業及び小売業」が157円、「金融保険業」が161円と低くなっている。

 同実態調査結果の詳細は↓
 http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/kaishahyohon2008/pdf/gaiyou.pdf

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