2010年03月17日-1
譲渡費用にはならない現物出資に係る税理士報酬等

 個人が所有する土地を法人に現物出資して株式を取得した際に、土地の所有権移転登記に係る登録免許税及び税理士報酬、不動産鑑定料を契約によって個人が負担した場合に、譲渡費用になるかどうかにについての文書照会で、関東信越国税局は、登録免許税については譲渡費用になるが、税理士報酬及び不動産鑑定料については、譲渡費用には該当しない旨回答したことを明らかにした。

 この事案は、法人の増資にあたり、個人が所有する土地を現物出資して株式を取得する際、その土地の所有権移転登記に係る登録免許税及び現物出資した土地の価額についての税理士の証明に対する報酬と不動産鑑定士の鑑定評価に対する報酬につき、法人との契約により個人が負担することとされ、支払った金額を、いずれも譲渡費用になるかどうかを国税当局に照会したもの。

 回答では、税理士報酬及び不動産鑑定料は譲渡費用と認められないとした。金銭以外の財産を出資の目的とするときは、財産の内容及び価額を定める必要があり、裁判所の検査役の調査が必要だが、その財産が不動産で、現物出資財産の価額が相当であることにつき税理士等による証明及び不動産鑑定士による鑑定評価を受けた場合には不要とされ、その費用は本来法人側が負担すべきものとされている。

 この場合の税理士報酬及び不動産鑑定料は、現物出資を受けた株式会社が税理士及び不動産鑑定士に対して支払うべきものと解するのが相当であるから、たとえ契約に基づき現物出資をした個人が負担するものとされたとしても、所得税法第33条第3項に規定する「資産の譲渡に要した費用」には該当せず、税理士報酬及び不動産鑑定料は譲渡費用には該当しないとした。

 詳細は国税庁ホームページへ↓
 http://www.nta.go.jp/kantoshinetsu/shiraberu/bunshokaito/shotoku/100302/index.htm

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