2010年03月01日-1
消費税の申告にあたって誤りやすいポイントは…

 2009年分の消費税等の確定申告において、国税当局は誤りやすいポイントを例示して注意を喚起している。まず、納税義務者は、課税期間(2009年)の基準期間(2007年)における課税売上高が1000万円を超える事業者などだが、2007年分において免税事業者だった個人事業者の2009年分の納税義務の判定に当たって、売上高に105分の100を乗じて課税売上高を計算している例がある。

 例えば、2007年分の売上高が1040万円で、105分の100を掛けると約990万円だから、1000万円を超えず申告の必要がないといった具合だ。ところが、免税事業者の売上には消費税が課されていないので、基準期間である課税期間において免税事業者であった場合の課税資産の譲渡等の対価の額は、その期間中に国内において行った課税資産の譲渡等に伴って収受し、または収受すべき金銭等の金額の全額となることに留意する必要がある。

 次に、2009年分における基準期間(2007年分)の課税売上高を計算する際に、事業用資産の譲渡収入を含めていないといった誤りもみられるという。例えば、住宅用として貸し付けてあった建物であっても、その譲渡は課税の対象となる。また、土地・建物の一括譲渡の場合において、非課税資産の土地と課税資産の建物の価額が合理的に区分されていないときは、譲渡したときの価額の割合で按分することになる。

 相続があった場合も注意が必要だ。それは、被相続人が提出した「消費税課税事業者選択届出書」の効力が、相続人にも及ぶと考えている事業者がいることだ。相続人にはその効果は及ばないので、新たに「消費税課税事業者選択届出書」を提出しなければならない。そのほか、新規開業にあたって、「消費税課税事業者選択届出書」を提出した場合には、必ずその年から課税事業者となると考えている事業者も少なくない。

 国内において課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日の属する課税期間や、相続により課税事業者選択の適用を受けていた被相続人の事業を承継した場合におけるその相続があった日の属する課税期間に「消費税課税事業者選択届出書」を提出した場合は、届出の適用開始時期について、その課税期間か翌課税期間かを選択できることになっている。この点は、「消費税簡易課税制度選択届出書」も同様である。

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