2010年02月22日-1
年の中途で扶養家族でなくなっても医療費控除は可

 2009年分所得税及び個人事業者の消費税の確定申告が16日にスタートした。例年、住宅ローン控除とともに、給与所得者の確定申告でもっともなじみの深いのが医療費控除の申告だが、支払った医療費がストレートに控除の対象になるかどうかは色々問題になるところだ。例えば、年の中途で扶養親族であった娘が結婚し、戸籍を離れてしまったとき、その年に父親が支払った医療費は控除の対象になるのだろうか。

 そもそも医療費控除は、本人または本人と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払ったときに控除される(所得税法第73条)。そして、医療費控除の適用が認められる親族の範囲は、医療費を支出すべき事由が生じた時または現実に医療費を支払ったときのいずれかの現況において、その医療費を支払った者と生計を一にする配偶者その他の親族とされている(所得税法第73条①、所得税基本通達73-1)。

 つまり、年の中途で、扶養親族から外れたような場合であっても、それまで生計を一にしていれば、その年分に支払った医療費は医療費控除の対象になる。必要なのは、あくまでも「生計を一にしている」という事実である。例えば、生計を一にしていない父親の入院費を子どもが支払った場合、子どもの医療費控除として申告することは認められないことになる。

 また、扶養親族である娘が4月に就職し実家を離れて生活しているケースで、学生時代の3月に骨折をしてその医療費を父親が支払ったようなケースでも、その年の1~3月の間は生計を一にしていたのであるから、医療費を負担した時に「生計を一にしている親族」に該当し、医療費控除の対象になる。ただし、生計が別になった4月以降に父親が支払った医療費は、医療費控除の対象にはならない。

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