2010年02月18日-2
2010年度の国民負担率は39%で2年ぶりに上昇

 国民負担率とは、国民所得に対する税金や社会保険料(年金・医療費などの保険料)の負担割合。財務省は2月10日、2009年度の実績見込みでは38.8%だった国民負担率が、2010年度予算では0.2ポイント上昇の39.0%となるとの見通しを発表した。これで2年ぶりに前年を上回る。2010年度見通しの内訳は、国税が11.7%、地方税が9.8%、租税負担率が21.5%、社会保障負担率が17.5%。

 2009年度実績見込みに比べ、租税負担率は0.3ポイント減(国税は0.2ポイント増、地方税は0.5ポイント減)、社会保障負担率は0.5ポイント増加。高齢化の進展で社会保障負担が増え、同負担率はこの統計を開始した1970年以降で最高を記録。国民負担率を諸外国(2007年実績)と比べた場合、アメリカ(34.9%)よりは高いが、スウェーデン(64.8%)、フランス(61.2%)、ドイツ(52.4%)、イギリス(48.3%)などより低い。

 真の負担率は、財政赤字という形で将来世代へ先送りしている負担額を加える必要がある。財務省によると、2010年度の国民所得(前年度に比べ3万2千円増の336万4千円)に対する財政赤字の割合は前年度から1.9ポイント減の13.3%となる見通し。この結果、2010年度の国民負担率に財政赤字を加えた「潜在的国民負担率」は、過去最高となった前年度からは1.7ポイント減の52.3%となる見通しだ。

 この「潜在的国民負担率」は、大型の景気対策で財政赤字が膨らみ、過去最高となった2009年度の54.0%に次いで2番目の高水準となる見通し。なお、租税負担率は、戦前の1934~36年度は13%程度だったが、戦後は45年代前半の混乱期を除いて20%前後で推移。しかし76年度以降、次第に上昇し始め、89・90年度の27.7%をピークに、その後はほぼ20%台前半で推移し、2010年度も法人税収の落込みなどで同水準となる見込み。

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