2010年02月17日-1
職業訓練受講者に支給される給付金等の課税関係は

 厚生労働省では、2009年7月末から、雇用保険を需給できない者に対し職業訓練を実施し、訓練期間中の生活保障のために訓練・生活支援給付金を支給し、給付金のみでは生活費が不足する者には生活支援資金を融資している。そこで同省は、同給付金の所得の帰属について国税庁に照会したところ、「訓練受講者が支給を受ける給付金は雑所得、訓練・生活支援資金の返済債務免除による経済的利益は一時所得に該当する」との回答を得た。

 厚労省が行っている訓練は、専修・各種学校、教育訓練企業、NPO法人、社会福祉法人、事業主などが中央職業能力開発協会により訓練実施計画の認定を受けて実施する職業訓練で、(1)職種に関わりなく再就職に必要なITスキル等を習得するための3ヵ月の訓練、(2)医療、介護・福祉、IT、電気設備、農林水産業、その他地域で必要とされる人材に求められる基本能力から実践能力までを習得するための3ヵ月~1年の訓練をいう。

 給付金は、被扶養者がいない者には月額10万円、被扶養者がいる者には12万円を支給(最長24ヵ月)。訓練・生活支援資金融資は、給付金の支給対象者で、かつ、労働金庫の審査により返済が困難でないと認められる者に、給付金の受給期間中、それぞれ5万円、8万円を上限に、年率3.0%で貸し付ける。訓練終了後6ヵ月以内に6ヵ月以上の雇用が見込まれる就職をした場合、一定の要件の下で貸付額の50%の返済が免除される。

 厚労省は、同給付金及び訓練・生活支援資金の所得区分について、(1)訓練受講者が支給を受ける給付金は雑所得に該当、(2)訓練・生活支援資金の返還債務が免除されたことによる経済的利益は一時所得に該当、でよいのか国税庁に照会。同庁は、(1)については所得税法第35条により雑所得に、(2)については、役務の提供等の対価としての性質を有しない一時の所得と認められるので、一時所得として取り扱われる旨回答している。

 この件の詳細は↓
 http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/bunshokaito/shotoku/100205/besshi.htm#m1

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