2010年02月15日-3
「中小企業の会計に関する研究会」を設置~経産省

 経済産業省は、「中小企業の会計に関する研究会」を設置し、第1回の研究会を2月15日に開催した。同研究会では、会計の国際化の流れや中小企業の会計の現状を踏まえた今後の中小企業の会計の在り方について検討を進める。経済のグローバル化が進展するなか、今日、世界各国の会計基準が国際財務報告基準(IFRS)への収斂(コンバージェンス)または、IFRSを適用(アドプション)しているところだ。

 日本においても、会計基準の国際化を巡る議論は、上場企業の連結財務諸表について2010年3月期からIFRSの任意適用、2012年における強制適用の最終判断、2015年もしくは2016年の強制適用開始を控え、その対応や個別財務諸表のあり方について活発な議論が行われている。上場企業においては、連結財務諸表にIFRSを適用し、国際比較可能な情報開示を行う必要性は認められる。

 一方で、非上場企業、特にその大半を占める中小企業においては、情報開示先が取引先、金融機関、税務署など限定的であり、さらに、経理担当者の会計基準に対する知識や人員体制が必ずしも十分でないという実態がある。また、現在の「中小企業会計指針」は、そのユーザーサイドを中心として、高度、複雑で中小企業の商慣行の実態に必ずしも沿わない部分もあるとの指摘もある。

 そこで、その検証を行うとともに、中小企業にとって、金融機関等の債権者が納得でき、税務とも親和性の高い、より使いやすい会計のあり方を検討するべきとの意見もある。こうした状況のなか、会計の国際化の流れや中小企業の会計の現状を踏まえた今後の中小企業の会計の在り方について検討を進めることとし、以上のような問題意識のもと、中小企業庁に研究会「中小企業の会計に関する研究会」を設置することにしたわけだ。

 同研究会は今後、上記の設置趣旨に則り、(1)中小企業における会計の実態と会計基準の国際化、(2)会社法会計、金融商品取引法会計、税務会計との関係、(3)国内外の会計制度の動向について、(4)中小企業の実態に即した会計のあり方、などの項目について検討を進めていく予定だ。

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