2010年02月12日-2
税制改正法案は25改正法を一本化し国会提出

 2010年度の国税関係の税制改正を盛り込んだ「所得税法等の一部を改正する法律案」は2月5日に閣議決定され国会へ提出されている。同法案は、所得税法、法人税法、相続税法、消費税法、国税通則法、租税特別措置法など実に25の各改正案を一本にまとめたものとなっている。これら2010年度税制改正法案は、政局の波乱がなければ、日切れ法案などが含まれていることから3月末には成立する予定。

 主な改正内容をみると、個人所得課税では、15歳以下の年少扶養親族に対する扶養控除を廃止、16~18歳までの特定扶養親族に対する扶養控除の上乗せ部分(25万円)を廃止など。法人課税では、100%グループ内の内国法人間で一定の資産の移転を行ったことにより生ずる譲渡損益の計上を繰り延べるなど、資本関係の取引等に係る税制の整備、いわゆる「一人オーナー会社課税制度」の廃止、などがある。

 資産課税では、住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税措置について、所得制限(2000万円)を付した上で、非課税限度額(現行500万円)を、2010年は1500万円、2011年は1000万円に引上げなど。暫定税率等では、現行の10年間の暫定税率は廃止した上で、当分の間現在の税率を維持など。市民公益税制(寄附税制)では、所得税の寄附金控除の適用下限額を2千円(現行5千円)に引下げ、などがある。

 国際課税では、外国子会社合算税制について、企業実体のある統括会社の所得を合算課税の対象外とする一方、資産性所得を新たに合算課税の対象とする等の見直し、外国税務当局との税に関する情報交換を効率的かつ円滑に実施する観点から、租税条約や行政取決めの相手国に対し情報提供ができる旨の整備など。たばこ税では、1本あたり3.5円(国・地方それぞれ1.75円)税率を引上げ、などがある。

 また、納税環境の整備では、脱税犯に係る懲役刑の上限を10年(現行5年)に引き上げるなど、罰則(国税関係)の見直しなどがあるほか、(1)情報基盤強化税制の廃止など、租税特別措置の抜本的な見直しを実施、(2)中小企業投資促進税制や、中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例など、中小企業関係の租税特別措置の適用期限の延長、などが盛り込まれている。

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