2010年01月18日-3
住宅取得等資金の贈与の特例における直系尊属の範囲

 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置は、2010年度税制改正において、現行500万円の非課税限度額が、2010年中に資金の贈与を受けた場合は1500万円、2011年中に贈与を受けた場合は1000万円に引き上げられることが決まった。ただし、金持ち優遇との批判に配慮し2000万円の所得制限を設ける。住宅を取得したい人には朗報だが、注意したいのは「直系尊属」の範囲である。

 住宅取得等資金の贈与税の非課税の適用対象となる住宅取得等資金の贈与者については、住宅取得等資金の贈与を受けた人(「特定受贈者」)の親や祖父母、曽父母など直系尊属に限られる。この場合の贈与者である直系尊属とは、税法では民法の考え方に即して判断しており、特定受贈者の養親やその養親の直系尊属も含まれるが、次の贈与者は直系尊属に含まれないことに留意したい。

 それは、(1)特定受贈者の配偶者の直系尊属、(2)特定受贈者の父母が養子の縁組による養子となっている場合において、その特定受贈者がその養子の縁組前に出生した子である場合のその父母の養親及びその養親の直系尊属、(3)特定受贈者が民法(特別養子縁組の成立)に規定する特別養子縁組による養子である場合のその実方の父母及び直系尊属、であり、これらの者から受けた贈与は非課税の対象とはならない。

 つまり、一般的な例でいえば、夫であれば妻の父母や祖父母からの贈与は非課税とはならないということになる。また、夫の養親やその養親からの贈与は非課税の対象となるのだが、ここで注意したいのは、養親やその養親の直系尊属から住宅取得等資金を贈与により取得した場合でも、その贈与のときにまだ養子縁組が成立していないときは、当然ながら贈与税の非課税の規定の適用はないことである。

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