2010年01月14日-2
たばこ税は10月から1本3.5円の過去最高の引上げ

 2010年度税制改正では、たばこ税が過去最高となる1本あたりで3.5円の引上げが行われる。実施時期は今年10月1日からで、価格上昇は1本5円程度、標準的な20本入り1箱の価格は現行の300円から400円程度になる見込みだ。たばこ税引上げによる増収額は、初年度となる2010年度が525億円、2011年度以降は1232億円と試算されているが、引上げを機にたばこの販売本数が大きく落ち込む可能性もある。

 たばこ税は、今まで税収確保のために1986年、1998年、2003年、2006年の4回引き上げられており、その引上げ幅は1本当たり0.82円~0.9円で、現行の税額は約8.7円。今回の引上げについても、当初は税収確保の観点から議論されていたが、政府税制調査会の税制改正大綱には、「国民の健康の観点から、たばこの消費を抑制するため、将来に向かって、税率を引き上げていく必要がある」と明記され、課税目的が変更されている。

 また、将来の税率引上げの判断に関しては、たばこの消費や税収、葉たばこ農家、小売店、製造者等に及ぼす影響等を見極めつつ行っていくとされ、その過程で、たばこ法制について、現行のたばこ事業法を改廃し、「たばこ事業のあり方について、たばこ関係者の生活や事業の将来像を見据えて、新たな枠組みの構築を目指す」ことが明記されている。今後も“健康のため”を御旗にさらなる大幅な引上げが続きそうだ。

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