2010年01月12日-2
住宅取得等資金贈与の非課税限度額を1500万円に

 2010年度税制改正における資産課税関係の主な改正項目では、(1)住宅取得等資金の贈与に係る非課税限度額の引上げ、(2)小規模宅地等の特例の見直しがある。住宅取得等のための金銭贈与に係る贈与税の軽減措置は、昨年12月8日に閣議決定された緊急経済対策に盛り込まれた住宅投資促進措置で、直系尊属(父母、祖父母など)から受ける住宅取得や増改築のための金銭贈与については500万円まで贈与税を非課税とするものだ。

 国土交通省は、この非課税限度額500万円を2000万円に引き上げるように要望していたが、政府税制調査会が難色を示し、(1)2010年中に住宅取得等資金の贈与を受けた者は1500万円、(2)2011年中は1000万円に引き上げることで決着。適用対象者を合計所得金額が2000万円以下の者に限定する。一方で、住宅取得等資金の贈与に係る相続時精算課税制度の特例について、特別控除の上乗せ(現行1000万円)の特例を廃止する。

 また、相続税における小規模宅地等の特例は、相続等によって取得した宅地が事業用や居住用であった場合には、一定面積までの部分を80%または50%相当の金額を減額するというもの。相続人等による事業や居住の継続に配慮して設けられた租税特別措置だが、現行では、相続後に事業等を継続しない場合など、制度の趣旨に照らして必ずしも的確とはいえない場合でも一定の減額を受けることが可能なことから、見直しを行う。

 具体的には、(1)相続人等が相続税の申告期限後まで事業や居住を継続しない宅地等(現行200平方メートルまで50%減額)を適用対象から除外、(2)一の宅地について共同相続があった場合には、取得者ごとに適用要件を判定、(3)一棟の建物の敷地の用に供されていた宅地等のうちに、軽減対象となる特定居住用宅地等の要件に該当する部分とそれ以外の部分がある場合には、部分ごとに按分して軽減割合を計算する。

 そのほか、被相続人等が居住の用に供していた宅地等が複数存在する場合には、特定居住用宅地等は主として居住の用に供されていた一の宅地等に限られることを明確にする。これらの改正は、2010年4月1日以後の相続や遺贈により取得する小規模宅地等に係る相続税について適用される。

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