2010年01月07日-1
暫定税率は廃止とするも当分の間、税率水準を維持

 新政権の民主党が衆院選でマニフェストの目玉として掲げていたガソリン税の暫定税率の廃止については、2010年度税制改正において、「現行の10年間の暫定税率は廃止するが、当分の間、税率水準を維持する」こととされた。結局のところ、財源不足に苦慮する政府は、建前上、来年3月末で一応「廃止」とするものの、現行の暫定税率と同水準の新たな租税特別措置を講じることで、当分の間、税率水準を維持することになる。

 現在の暫定税率は、2007年12月に検討された10年間の道路整備計画の案を根拠に2008年4月から2018年3月末までの10年間のものとして定められたが、財源の使途については、前政権下の2009年4月に一般財源化され、道路特定財源制度はなくなった。このような認識に立って、暫定税率は廃止する。他方、現在は石油価格が安定していることや非常に厳しい財政事情にあることを踏まえ、現在の税率水準を維持するとしている。

 ただし、2008年度上半期に見られたような原油価格の異常な高騰が続いた場合には、本則税率を上回る部分の課税を停止するための措置を併せて講じる。このように、現在の暫定税率水準は維持するが、自動車重量税については、地球温暖化対策の観点から、当分の間、環境負荷に応じて税率を設定することとし、暫定税率による上乗せ分の国分の半分程度に相当する規模の税負担の軽減を図る。

 自動車重量税については、次世代型自動車(電気自動車、ハイブリッド車等)には本則税率を適用し、それ以外の車種(ガソリン自家用乗用車)については、重量あたりのCO2排出量が次世代自動車の倍程度あることを踏まえ、本則税率の2倍の税率とする。軽自動車や大型車、営業車などについては、ガソリン自家用乗用車に係る現行税率からの引下げ割合と同程度の税率引下げとなるように調整する。

 また、新車購入から18年を超える経年車については、環境への負荷を考慮して、現行の負担水準(暫定税率の水準)に据え置き、買換えを促す。いわゆる「エコカー減税」(2012年4月末まで)については、制度の仕組みを維持する。

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