2010年01月04日-3
国税庁の2010年度末定員は21人増の5万6261人

 国税庁の定員は、2009年度は24人の純増だったが、2010年度は21人の純増となり年度末定員は5万6261人となることが、国税庁が発表した2010年度予算(案)の概要で明らかになった。同庁が税務行政の困難性や歳入官庁としての重要性などを強く訴えた結果、1079人の新規増員が認められたが、定員合理化計画に基づく合理化目標数(2010年度)が▲1058人であることから、4年連続増員の21人の純増となった。

 機構面では、「経済の国際化への対応」や「コンプライアンスの維持・向上」、「審理体制の充実」等のための機構の増設が認められている。例えば、経済の国際化への対応では、東京・大阪の両国税局に国際税務専門官、関東信越国税局に統括国税実査官、福岡国税局に査察国際専門官を各1名設置することなどが認められ、国際的租税回避スキームの解明や情報収集及び海外資産等の把握に努める。

 また、審理体制のさらなる充実として、東京・大阪の両国税局に審理官(国税訟務官の振替え)及び国際調査審理官を設置、関東信越・東京・名古屋・大阪の4国税局に審理専門官(仮称)を新設、東京国税局に訟務専門官を設置する。また、コンプライアンスの維持・向上としては、東京国税局に酒類取引審査官(仮称)、東京・大阪両国税局に査察情報分析専門官(仮称)がそれぞれ新設される。

 そのほか、源泉所得税事務の一層の効率化を図るため国税局に設置されていた「源泉所得税事務集中処理センター」を格上げする形で、札幌・仙台・関東信越・東京・名古屋・大阪・広島・福岡の8国税局に「源泉所得税事務処理集中センター室(仮称)」の設置、国税庁への専門スタッフ職として国際課税分析官(仮称)と国税争訟分析官(仮称)の新設なども盛り込まれている。

 なお、国税庁の2010年度予算は前年度を40億3300万円(0.6%)下回る7164億2300円となった。主な経費をみると、KSK(国税総合管理)システムや国税庁情報ネットワーク運用経費などの「情報化経費」が対前年比2.7%減の461億8400万円、e-Tax(電子申告)運用経費や、ITによる納税者への情報等提供経費などの「納税者利便向上経費」が同0.9%減の137億2400万円などとなっている。

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