2006年04月27日-002
過大役員退職金の判定における1年当たり平均額法

 役員の退職に伴って支払われる役員退職金は、その企業への貢献度や職責などから一般の従業員に比べれば高額となろう。しかし、税法では、その損金算入が無制限に認められるわけではない。不相当に高額な退職金を支払った場合は、その不相当に高額とされた部分の損金算入が否認される。この「不相当に高額」かどうかの判定基準として一般的に使われるのは功績倍率である。

 この判定基準は、退職給与の額を「退職役員の最終月額報酬×勤続年数」で割って算出された「功績倍率」を同業種の類似法人のそれと比較して、極端に高い場合には、その役員退職金は過大だと判定するものだ。例えば、類似法人の功績倍率が5であるのに、その法人の役員に支払われた退職金の功績倍率が10であるとすれば、その役員退職金は過大と判断され、その高額な部分の損金算入が否認されるわけだ。

 ところが、この功績倍率方式は、功績倍率が最終報酬月額によって大きく影響を受けるという欠点がある。例えば、資金繰りなど会社の都合で役員の報酬を同業他社の類似法人に比べ低額にしていた場合は、功績倍率が類似法人と比較するとかなり大きくなってしまうケースがある。そこで、税務署は、こうした欠点を補うため、功績倍率方式とともに「1年当たり平均額法」という判定基準も採用している。

 これは、支給された退職給与の額を勤続年数で割って1年当たりの退職金相当額を算出したものを同業種の類似法人と比べる方式だ。だから、最終月額報酬が低すぎて功績倍率が大きくなりすぎても過大とみられない可能性もある。ただし、逆に功績倍率では不相当に高額ではなくても、1年当たり平均額法で否認される可能性もある。退職金を多く支払うために、最終月額報酬のみを不相当に引き上げるのは要注意となろう。

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