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事業承継の準備・対策にはまず後継者の決定が重要

経営関連情報 - 2018年02月02日

 東京商工会議所が東京23区内の事業者を対象に昨年7月から8月にかけて実施した「事業承継に関するアンケート調査」結果(有効回答数1907社)によると、後継者の決定状況は、「既に後継者を決めている」との回答企業割合が30.9%、「後継者候補はいる」が24.2%、「後継者は決めていないが、事業は継続したい」が32.5%、「自分の代で廃業する予定」が7.0%、「会社を売却する予定」が1.8%となった。

 事業承継の障害・課題における準備・対策状況をみると、「既に後継者を決めている」企業ほど事業承継の準備・対策が進んでいることが分かった。例えば、「後継者への株式譲渡」で準備・対策を行っている割合は、「既に後継者を決めている」企業の71%に対し、「後継者候補がいる」企業では56%、「自社株の評価額」では同66%に対して52%、「借入金・債務保証の引継ぎ」では同61%に対して45%と、それぞれ大きな差がある。

 後継者の周知状況(条件:60歳以上の経営者)では、「本人のみに伝えている」と「社内に周知している」の合計は、「既に後継者を決めている」企業が50%、「後継者候補はいる」企業が52%とあまり差はない。しかし、「社内外に周知している」は同46%に対して12%、「誰にも伝えていない」では同3%に対して36%となり、「後継者候補はいる」企業では、経営者が高齢でも、後継者をだれにも伝えていない企業が多い。

 後継者は決めていないが、事業は継続したい企業において、後継者の探索・確保を障害・課題と感じている割合を経営者の年齢別にみると、「60歳未満」63%、「60代」73%、「70歳以上」78%と、年齢が上がるにつれ上昇する一方、準備・対策状況は、「60歳未満」18%、「60代」21%、「70歳以上」20%と変わらない。後継者がいない企業では、後継者探索・確保のため、早期対策の重要性に経営者が気付くことが必要だ。

 また、親族内承継で大きな課題となる株式の譲渡に向けては、従業員規模が小さいほど、自社株式の評価をしている割合が低く、従業員5人以下の小規模企業では75%が「評価したことはない」と回答。従業員規模に関係なく、自社株式の評価額算定の促進が必要だ。さらに、自社株式の評価額が1億円以下の企業でも、事業承継税制の利用を検討する声が多く、抜本的に拡充された事業承継税制の利用促進に向けた取組みも必要となっている。

 同調査結果の概要は↓
http://www.tokyo-cci.or.jp/file.jsp?id=113367



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