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判断に迷う相続財産から控除できる「葬式費用」

税務関連情報 - 2017年05月19日

 相続税を計算するときは、死亡した人(被相続人)が残した借入金などの債務を遺産総額から差し引くことができる。差し引くことができる債務は「被相続人が死亡したときにあった債務で確実と認められているもの」とされている。ところで、「葬式費用」は債務ではないが、相続税を計算するときは遺産総額から差し引くことができる。しかし、葬式費用は、相続財産から控除できるかどうか、判断に迷う支払いも少なくない。

 相続税法では、葬式費用となるものとして、(1)葬式や葬送に際し、又はこれらの前において、火葬や埋葬、納骨をするためにかかった費用(仮葬式と本葬式を行ったときにはその両方にかかった費用) 、(2)遺体や遺骨の回送にかかった費用、(3)葬式の前後に生じた費用で通常葬式にかかせない費用、(4)葬式に当たりお寺などに対して読経料などのお礼をした費用、(5)死体の捜索又は死体や遺骨の運搬にかかった費用、が示されている。

 一方、葬式費用に含まれないものとして、(1)香典返しのためにかかった費用、(2)墓石や墓地の買入れのためにかかった費用や墓地を借りるためにかかった費用、(3)初七日や法事などのためにかかった費用は、遺産総額から差し引く葬式費用には該当しないとされている。ただし、初七日の費用については、通夜告別式と同時に実施していて、代金が明らかに区別できない場合には葬式費用に含めても認められる。

 香典返戻費用については、会葬御礼費用が発生した上で、香典返しをしていなかったら会葬御礼費用が香典返しとみなされるため、香典返戻費用は葬式費用に該当しないが、会葬御礼費用とは別に香典返しをしていれば、会葬御礼費用は葬式費用になる。また、お墓などは必ず建てるものだが、葬式には関係ないので、墓碑や墓地、位牌などの購入費用や借入料は葬式費用にはならない。

 そのほか、遠方に住んでいる親族の交通費や宿泊費を喪主が負担することもよくあるが、このような費用は、葬儀に直接関係する費用ではないため、葬式費用には該当しない。一方で、領収書がないお布施やお車代、心付けなどは、支払った事実があれば葬式費用となる。また、生花、盛籠等に係る費用については、喪主が負担したものに限り、葬式費用に該当する。相続税の払い過ぎにならないように、債務控除の全てを確認する必要があろう。



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