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税等の源泉徴収後の手取りが同額を定期額給与に追加

税務関連情報 - 2017年04月17日

 役員給与の損金不算入制度が2017年度税制改正で整備され、3類型のいずれも見直された。3号給与の利益連動給与が業績連動給与に改められ、株価などその算定指標が拡充されたほか、2号給与の事前確定届出給与も、所定の時期に確定した株式や新株予約権が加わった。これらは大企業向けのものだが、一方で、中小企業のほとんどが利用している1号給与の定期同額給与が、損金不算入制度になって以来、初めて見直されている。

 それは、所得税や住民税及び社会保険料の源泉徴収等をされた後の手取り額の金額が同額である定期給与がその範囲に追加されたことだ。定期同額給与は、法人税法では「その支給時期が1月以下の一定の期間ごとである給与で当該事業年度の各支給時期における支給額が同額であるものその他これに準ずるものとして政令で定める給与」とされている。今回の改正は、2017年度税制改正法の政令でその詳細が示された。

 政令改正では、定期給与の各支給時期における支給額から源泉税等の額(所得税や住民税、社会保険料)を控除した金額が同額である場合、当該定期給与の当該支給時期における支給額は、同額であるものとみなすとする規定が設けられた。これまでは、額面の支給額が同額でなければ定期同額給与の対象とはならなかったが、今後は、額面だけでなく、源泉徴収等の後の額が同額であれば定期同額給与とみなされることになったわけだ。

 ここでいう社会保険料とは、所得税法第74条の2に規定する社会保険料をいい、厚生年金保険料や介護保険料などが含まれる。例えば、厚生年金保険料率は2005年度以降、2017年度まで毎年0.354%(労使折半のため、本人分は0.177%)ずつ引き上げられている。同保険料率は毎年9月分から変更されているが、この前後で給与の支給額が同額だとすると、手取り額が減少することになり、定期同額給与の対象にはならないことになる。

 しかし、改正後の規定を適用すると、社会保険料を含めた源泉徴収等が行われた後の額を同額としても定期同額給与とみなされる。つまり、所得税・住民税の税率や社会保険料率が変更されても、手取り額を同じにすることができるので、給与を支給される役員にとっても分かりやすいものになろう。なお、この改正は、4月1日以後に支給又は交付に係る決議(決議がない場合はその支給又は交付)をする給与について適用される。



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