2016年07月28日
マイナンバー対応のためのソフトウェア費用の取扱い

 今年1月からマイナンバー制度がスタートした。企業では、その対応のため、既存のコンピュータソフトウェアを見直すところも少なくない。見直しでは、(1)単なるマイナンバー対応としてのみ各々のソフトをバージョンアップする、又は(2)これを機に業務用ソフトウェアを別会社の新品のソフトウェアに買い換える、といった方法が考えられるが、これらの2つの方法では税務処理が違ってくる。

 ソフトウェアに係る資本的支出と修繕費に関する法人税基本通達では、「法人が、その有するソフトウェアにつきプログラムの修正等を行った場合において、その修正等が、プログラムの機能上の障害の除去、現状の効用の維持等に該当するときは、その修正等に要した費用は修繕費に該当し、新たな機能の追加、機能の向上等に該当するときはその修正等に要した費用は資本的支出に該当する」と規定している。

 マイナンバー制度における番号法では法人に対して「安全管理措置義務」を課し、この措置を講じないと安全措置管理義務違反となり、従来のソフト(特に給与計算ソフトや年末調整システム、確定申告システムなど)では、その使用に制限がかかることにもなる。そのため、既存のソフトウェアをマイナンバー制度に対応させるための支出費用は、既存のソフトウェアの効用を維持するための修正等に係る費用とみることができる。

 したがって、上記(1)のマイナンバー対応としてのみ各々のソフトをバージョンアップする費用は「修繕費」として処理することができると考えられる。対して、(2)の別会社の新品のソフトウェアに買い換えるケースでは、新規資産の取得となるため、原則資産計上する必要があり、耐用年数も「ソフトウェア」の「その他のもの」として5年で均等償却することになる。

 これらの対応は、例えば消費税率が8%から10%に引き上げられるときも同様の考え方ができるので、単なる税率変更に対応して変更しただけのソフトウェアの修正費用は「修繕費」として処理することができると考えられる。また、新しい対応ソフトに買い換える場合などは、新規取得として取得価額とされるが、一定の場合で、既存ソフトの残存価値がある場合には、これら既存ソフトの除却損の計上も認められるとみられる。

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