2016年06月02日
固定資産課税台帳へのマイナンバー活用等を提言

 総務省の関連団体である一般財団法人自治総合センターが設置する「地方分権時代にふさわしい地方税制のあり方に関する調査研究会」は、地方税の徴収対策をテーマに、その電子化やマイナンバーの税務行政への活用に関する検討結果をとりまとめて報告した。報告書はまず、ICTの急速な進展に伴うeLTAX(地方税ポータルシステム)を通じた電子申告の普及に注目、その一層の利用率向上が重要だと指摘した。

 一方、課題としてセキュリティ対策に万全を期すことや、現在は自治体ごとに構築している税務システムの共同利用などが必要だと強調。今後、マイナポータルが本格運用される段階では、個々の納税者に税額通知書を電子的に送付することも想定され、その際、地方団体や指定金融機関の窓口での現金納付ではなく、例えば、インターネットバンキングやクレジット納付などで電子的に決済するサービスへの期待が高まるとした。

 その上で、現在の個人住民税では特別徴収義務者が従業員の住む市町村ごとに行っている納入手続きを、いったんeLTAXを通じて地方税の収納機関に一括納入し、納付(入)書の内訳となる電子データをもとに関係市町村に配分する仕組みにすれば、特別徴収義務者・市町村ともに大きく事務コストの軽減が図られる可能性を示唆した。これは、複数の地方団体に事務所等を有する法人の法人住民税の納付などにも応用可能としている。

 さらに、マイナンバーを活用した税務行政の今後については、所得情報だけでなく、固定資産課税台帳への付番も課題になると指摘。固定資産税の土地・家屋分は市町村による賦課課税のため、現状では納税者から番号記載の申告を受ける機会がないが、相続や財産調査といった際に有用なことや、現在は一元管理されていない資産情報がマイナンバーをキーに名寄せできれば、市町村間の照会・回答がスムースに進むとしている。

 また、マイナンバー制度の導入によって、地方団体の税務部門の役割に変化が生じる可能性にも言及。マイナンバー制度導入前は、税務部門の役割は賦課徴収であり、そのために必要な情報を把握し、情報システムを構築し、税務情報の管理を行ってきたが、マイナバー制度導入後には、社会保障との情報連携を前提として、非課税となる住民も含めて全住民の所得情報等の管理を行う必要が生じるとみている。

 同報告書は↓
http://www.jichi-sogo.jp/wp/wp-content/uploads/2016/04/08-zeisei-houkokusho.pdf

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