2016年03月03日
マイナンバーによる所得把握で新奨学金返還制度創設

 日本学生支援機構は、大学等奨学金事業にマイナンバー制度を利用することによって、奨学金を借りた者の大学卒業後の所得を把握し、卒業後の所得水準に応じた奨学金返還額を決める新たな奨学金返還制度を創設する。2015年9月に文部科学省に設置された「所得連動返還型奨学金制度有識者会議」で検討しており、2017年4月の奨学金新規貸与者から制度を適用することを想定している。

 ただし、マイナンバーを利用した制度の運用は2017年7月以降からを予定しており、それまでの間は所得証明書(紙)による運用を予定している。現行の奨学金返還制度は、奨学金を借りた本人の卒業後の年収が300万円を超えるまでは原則10年間、返還を猶予(一定の場合無期限)するが、超えた場合には年収によらず一定額での返還が求められる。このため、年収300〜400万円程度の返還者の負担が重いとの指摘があった。

 マイナンバー制度では、日本学生支援機構による学資金の回収に関する事務にマイナンバーを利用できることが規定されている。有識者会議がこのほどまとめた検討素案では、2017年7月の地方自治体との情報連携後、住民税の課税対象所得と個人番号のヒモ付により、返還者一人ひとりの所得を把握し、一定額ではなく所得に応じた返還月額を設定することで、返還負担の軽減を図る新制度を導入するとしている。

 学生は、新所得連動返還型制度と現行の定額返還型制度のいずれかの返還方法を、奨学金の申込時に選択できる。ちなみに、新所得連動型返還制度においても、本人の年収が300万円以下の場合、申請により返還猶予が可能となっている。現行制度では、猶予期間は原則10年だが、奨学金の申込時に保護者等の年収が300万円以下の場合は、返還猶予の期間制限はなく、新制度においても引き続き適用される。

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