中小企業庁では、2007年11月14日の経済財政諮問会議における「中小企業生産性向上プロジェクト」や、12月11日の「原油価格の高騰に伴う中小企業、各業種、国民生活等への対策の強化について(基本方針)」を受け、2008年度より「下請かけこみ寺」事業を行っているが、同庁がこのほど発表した4〜6月の「下請かけこみ寺相談取扱状況」(速報)によると、6月最終週までの3ヵ月間に、1123件の相談が寄せられた。
相談取扱状況をみると、4〜6月の累計では、「下請代金法関係」が200件、「建設業関係」が315件、「運送業関係(代金法除く)が42件、「その他」が566件の合計1123件の相談が寄せられている。「その他」には、下請代金法が適用されない中小企業同士のトラブルのほか、「下請かけこみ寺」や法令等に関する一般的な質問も含まれている。2011年度は、累計で4179件の相談が寄せられている。
2010年度の実績データをみると、業種別では、「製造業」が29.1%でトップ。次いで「建設業」(28.1%)、「サービス業・その他」(19.7%)、「情報通信業」(7.9%)、「運輸業」(5.8%)、「卸小売業」(5.4%)と続く。相談分類別では、「代金の未払い」が39.0%、「その他」が31.2%、「取引中止」が7.7%、「代金の減額」が5.8%、「損害賠償」と「建設業関係」がともに5.6%、「単価の引下げ要求」が2.5%などとなっている。
相談事例では、A社(資本金1億円)は、B社(資本金100億円)から製品の部品の製造を受託。A社が製造する部品には、B社が全数受入検査を実施するものと、検査が省略されているものと2種類がある。B社は、受入検査では発見できなかった部品の瑕疵について、納品から1年を経過しても返品し、また、受入検査を省略しているものについても同様に返品してくる。B社のこのような行為への対処法は、という相談があった。
両社の取引は「製造委託」に該当し、B社の資本金が3億円超、A社の資本金が3億円以下の場合、下請代金法の資本金基準(3億円基準)を満たし、下請代金法を適用。B社の行為が下請代金法の「返品の禁止」に該当するかが問題だが、返品できる期間は、B社が受入検査を行っている場合、直ちに発見できない瑕疵について、その瑕疵が下請事業者に責任がある場合は受領後6ヵ月以内でなければ返品できない、とアドバイスしている。