2012年06月21日-4
2011年度の零細企業倒産5923件は過去10年で最多

 帝国データバンクがこのほど発表した「零細企業の倒産動向調査」結果によると、2011年度における負債5000万円未満の零細企業倒産は5923件と、過去10年で最多となった。構成比は3年連続で増加し、51.8%と高い割合を占める。月別でみると、2011年4月以降5ヵ月連続で前年度を上回った後、一進一退しながら増加傾向にある。全体の倒産件数は減少傾向にあるなか、零細倒産が非常に高い水準で推移している。

 業種別でみると、「製造業」が619件となり、前年度比で16.4%下回った。なかでも食料品関係や一般機械器具などを扱う製造業者の倒産が減少している。一方、「不動産業」(143件、前年度比12.6%増)、「サービス業」(1330件、同12.5%増)など、5業種で前年度を上回った。全体とのギャップが最も大きかったのは「不動産業」で、全体の倒産件数では前年度を4.6%下回ったが、零細倒産では12.6%上回った。

 主因別でみると、販売不振や業界不振などを含めた「不況型」が4925件となり、前年度比2.8%増と2006年以降6年連続で前年度を上回った。構成比が83.2%と8割を超えた。また、「過小資本」が145件、同79.0%増の大幅増加となったほか、「経営者の病気、死亡」が75件、同1.4%増と、厳しい状況下で、事業継続に奮闘した末に倒産するケースが増えている。一方、「放漫経営」による倒産は57件で同29.6%減と大幅に減少した。

 地域別にみると、「中国」(208件、前年度比44.4%増)、「北海道」(144件、同28.6%増)、「九州」(322件、同15.0%増)など、東北を除く8地域で前年度を上回った。「中国」では、「小売業」や「建設業」の大幅な増加が件数を底上げした。一方、「東北」は161件となり、前年度を21.8%下回ったが、これは、救済措置制度が効果を発揮しているため、一時的に倒産が減少しているものとみられている。

 同調査結果は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p120603.pdf

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