2012年06月14日-4
2011年度のガソリンスタンドの倒産、14.3%増加

 帝国データバンクがこのほど発表した「ガソリンスタンド経営業者の倒産・休廃業動向調査」によると、2011年度のガソリンスタンド経営業者の倒産(負債1000万円以上、法的整理のみ)は56件発生し、前年度の49件に比べ14.3%の増加となった。一方、全業種の倒産件数は前年比0.5%減少と、全体的に倒産が沈静化しているなかでも、ガソリンスタンド経営業者の倒産が増加しており、経営を取り巻く環境の厳しさがうかがえる。

 倒産件数は、2007年度(51件、前年度比146.4%増)から高水準で推移。これは、自動車保有台数が前年同月比減少に転じた時期と一致しており、ガソリンスタンドの経営が利用者数によって左右されていることが分かる。また、レギュラーガソリン卸価格と比較すると価格の高騰につれて倒産も増加傾向を示している。利用者数が減少するなか、客離れを恐れ、仕入価格上昇分を価格転嫁できずに収益性が悪化する業者も多い。

 他方、2011年度のガソリンスタンド経営業者の休廃業・解散件数は、190件(前年度比7.8%減)判明した。3年連続で前年度を下回ったものの、依然として、2011年度の倒産件数56件に比べて約4倍の発生件数が続いている。倒産件数が高水準となった2007年度以降、休廃業・解散件数も高水準で推移しており、倒産にまで至らなくても営業活動を休止せざるを得ないケースが多く、今後の倒産件数を押し上げる潜在要因とみられている。

 2011年度に倒産、休廃業・解散したガソリンスタンド経営業者数を地域別にみると、全9地域中、前年度比増加が4地域、減少が4地域、同数が1地域だった。「関東」は51件で最多だったが、前年度比では17.7%の減少だった。東日本大震災の影響を直接受けた「東北」は、30件となり同25.0%の増加となった。一方で、震災の直接影響がなかった「四国」、「九州」では、ともに大幅減少を記録。震災の影響が色濃く表れているといえる。

 同動向調査の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p120601.pdf

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