2012年06月13日-3
5月企業倒産1013件、3ヵ月ぶりの前年同月比増加

 帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、5月の倒産件数は1013件で、前月比は14.6%、前年同月比も5.1%の増加となった。3ヵ月ぶりに前年同月を上回り、2ヵ月ぶりに1000件を超える高水準。製造業は2011年1月以来、1年4ヵ月ぶりに前年同月比で増加。震災復興需要が大きい建設業を除き、小売や運輸などの内需型業種を中心に増加が目立つ。

 一方、負債総額は2540億8900万円で、前月比は40.3%、前年同月比も7.8%の増加となり、2ヵ月ぶりに前年同月を上回った。これは、事業者金融のNISグループ(株)(負債508億2300万円、東京都)、住宅分譲の神戸市住宅供給公社(同503億500万円、兵庫県)の2社が負債500億円以上で倒産したことによるもの。ただし、負債100億円以上の大型倒産はこの2件(前月3社)にとどまり、大型倒産の沈静化が続いている。

 業種別にみると、7業種中6業種で前年同月を上回った。なかでも、製造業(141件、前年同月比5.2%増)は1年4ヵ月ぶりに前年同月比増加となったほか、小売業(204件、同28.3%増)、運輸・通信業(41件、同17.1%増)でも増加が目立った。一方、建設業(237件、同11.2%減)は、前年同月を下回った。製造業は、食料品製造(19件、同90.0%増)や電気機械器具製造(12件、同33.3%増)で増加が目立つ。

 負債額別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は545件発生、構成比は53.8%を占め、2ヵ月ぶりに50%を上回った。一方、負債100億円以上の大型倒産は2件にとどまった。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満が562件、構成比は55.5%を占めた。中小企業・小規模企業をみると、1013件全てが中小企業に該当し、小規模企業は890件で87.9%を占め、小規模・零細企業の倒産は高水準で推移している。

 同倒産状況の概要は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/tosan/syukei/1205.html

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