2012年06月13日-2
2011年度課徴金納付命令442.5億円~公取委

 公正取引委員会はこのほど、2011年度における独占禁止法違反事件の処理状況を発表した。2011年度中に公取委は延べ303人の事業者に対して22件の法的措置を採った。その内訳は、入札談合12件、価格カルテル5件、不公正な取引方法5件となっている。このほかに、法的措置を採るに足る証拠が得られなかった場合に警告・是正措置を講じるケースもあるが、同年度は2件の警告・公表を行っている。

 2011年度中に、延べ277人の事業者に対して、総額442億5784万円の課徴金納付命令を行った。過去最高だった前年度(720億8000万円)よりは減ったものの、引き続き高水準となっている。1事業者当たりの課徴金額は1億5977万円だった。なお、2010年1月から新たに優越的地位の濫用が課徴金の対象とされたが、2011年度では、スーパーマーケットによる納入業者に対する優越的地位の濫用事件で初めて課徴金が課された。

 入札談合・価格カルテル等の不当な取引制限に対する課徴金算定率については、違反を繰り返した事業者または違反行為において主導的な役割を果たした事業者に対する算定率の割増し及び早期に違反行為をやめた事業者への算定率の軽減が適用されるが、2011年度では、違反を繰り返した事業者への割増算定率を5件における5人に対して、また、早期に違反行為をやめた3件における延べ5人に軽減算定率が、それぞれ適用された。

 公取委は、入札談合事件についての調査の結果、発注機関の職員等による入札談合等関与行為があると認められるときには、入札談合等関与行為防止法の規定に基づき、その発注機関の長に対し改善措置を講ずるよう求めることができる。2011年度では、茨城県が発注する土木一式工事及び舗装工事の入札談合事件で、県職員が関与行為を行っていた事実が判明し、茨城県知事に対し改善措置要求が行われ、2012年2月21日に公表された。

 申告の状況をみると、独占禁止法の規定に違反すると考えられる事実について公取委に寄せられた報告(申告)件数は8759件と、2010年度より約2000件減ったものの、高水準だった。申告が書面で具体的な事実を指摘して行われるなど一定の要件を満たした場合には、申告者に対して措置結果等を通知することとされているが、2011年度においては8388件(前年度比2010件の減)の通知を行った。

 2011年度処理状況は↓
 http://www.jftc.go.jp/pressrelease/12.june/120606.pdf

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