2012年06月11日-3
太陽電池セルで集光時世界最高効率43.5%を達成

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「革新的太陽光発電技術研究開発」プロジェクトでシャープが、世界最高の集光時セル変換効率43.5%を、化合物3接合型太陽電池で達成した。プロジェクトは、新材料・新規構造等を利用して太陽光発電の「モジュール変換効率40%超」かつ「発電コスト7円/kWh」を達成するための探索研究を行い、2030年以降の実用化を目指しているが、超高効率太陽電池の早期実用化が期待される。

 地球温暖化対策やエネルギーセキュリティ向上のため、太陽光発電への期待は大きい。太陽光発電を更に普及させていくためには、変換効率等の性能を飛躍的に向上させるとともに、太陽電池の低コスト化が重要。このような背景下、NEDOは日本の技術的優位性を超長期に亘って維持し、産業競争力強化に資する技術開発のため、2030年以降の長期的視野に立ち、新材料・新規構造等を利用した革新的な太陽光発電技術を開発している。

 現在、導入されている太陽電池の約80%を占めるシリコン結晶の太陽電池は、市販製品で最高20%程度の変換効率を有している。太陽光発電を更に普及させていくには、狭い面積でも十分な発電量が得られるよう、変換効率の向上が重要なポイントとなる。NEDOは、将来の高効率太陽電池の一つである化合物太陽電池の開発をシャープに委託、2010年9月に化合物3接合型太陽電池で変換効率42.1%まで高めることに成功した。

 今回新たに、受光面の電極間隔を最適化し電気抵抗を最小限に抑えることで、太陽電池の最大出力が向上し、さらに変換効率アップを実現した。今後、更なる効率向上を進めるとともに、実用化へ向けたコスト低減などの技術開発を進めていく。化合物3接合太陽電池は、インジウムやガリウムなど2種類以上の元素からなる化合物を材料とした光吸収層を3層重ね、各層で異なる波長の光を吸収させることで、高変換効率を実現する太陽電池。

 この件の詳細は↓
 http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100129.html

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