2012年06月07日-4
先行きは慎重な見方が続く~5月LOBO調査

 日本商工会議所がこのほど発表した5月のLOBO(早期景気観測)調査結果(3002企業にヒアリング)によると、5月の全産業合計の業況DIは、▲17.5と、前月から▲0.7ポイントとほぼ横ばいとなった。エコカー補助金に加え、原油や一部の原材料価格の低下が業況の改善を下支えしている。しかし、超円高の影響や取引先の海外移転に伴う受注の減少、電力料金の上昇によるコスト増など企業を取り巻く環境は厳しくなっている。

 業況DIは、比較対象の前年同月(2011年5月)が、東日本大震災後、大きく低迷していた時期であることに留意が必要だ。向こう3ヵ月(6~8月)の先行きについては、先行き見通しDIが▲20.3(今月比▲2.8ポイント)と、悪化する見込み。欧州債務問題の再燃に伴う円高の進行に加え、今夏の電力供給不足による事業活動への影響懸念から、先行きは依然として慎重な見方が続いている。

 売上面では、全産業合計の売上DIは▲9.9と、前月からマイナス幅は▲2.4ポイント拡大した。産業別にみると、製造業ではほぼ横ばい、卸売業ではマイナス幅が縮小、その他の3業種ではマイナス幅は拡大している。採算面では、全産業合計の採算DIは▲15.3と、前月からほぼ横ばい。産業別にみると、製造業と卸売業ではマイナス幅が縮小、サービス業ではほぼ横ばい、その他の2業種ではマイナス幅が拡大している。

 資金繰り面では、全産業合計の資金繰りDIは▲10.7と、前月からほぼ横ばい。産業別にみると、建設業ではマイナス幅が縮小、卸売業ではほぼ横ばい、その他の3業種ではマイナス幅が拡大している。仕入価格面では、全産業合計の仕入単価DIは▲25.1と、前月からマイナス幅が縮小。産業別にみても、全業種でマイナス幅が縮小した。従業員面では、全産業合計の従業員DIは▲1.7と、前月から悪化している。

 同調査結果は↓
 http://www.jcci.or.jp/lobo/LOBO201205.pdf

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