2012年06月06日-2
3月決算想定為替レート、1ドル=80円の企業が6割

 東京商工リサーチがこのほど発表した想定為替レート調査結果によると、東証1部、2部に上場するメーカー145社のうち、2013年3月期決算(本決算)の業績見通しで期初の対ドル想定レートを「1ドル=80円」と設定した企業が91社と、全体の62.7%を占めて最も多かった。次いで「75円」が14社、「77円」と「78円」が各12社、「79円」と「82円」が各5社で続いている。

 75円から79円は合計45社(構成比31.0%)と全体の3割を占め、想定レートの最安値は83円だった。また、1年前との期初想定レートの比較では、想定レートを1年前と同水準の80円とした企業が39社(同26.8%)で最多、「85円から80円」に変更が13社、「82円から80円」と「83円から80円」に変更が各12社、「80円から75円」に変更が8社と続く。1ドル=80円台から70円台へ変更した企業が36社(同24.8%)を数えた。

 円の対ドル相場は、2011年10月31日に1ドル=75円32銭の戦後最高値を更新。各企業ではこの歴史的な円高水準を反映した想定為替レートを設定した。2年前(2011年3月期の業績見通し)の期初想定レートでは、1ドル=90円の企業が最も多かったのに比べて、多くの企業では当時より10円以上も為替レートで円高が進行した。1円の円高でも業績への影響が大きいだけに輸出企業の受ける打撃は深刻さを増している。

 ただし、今年2月14日に日銀が追加金融緩和を決定したことを契機に、円相場は一時円安・ドル高に振れ、3月15日には1ドル=84円台で取引され、昨年4月以来の水準となった。こうした変動が様子見機運を高め、多くの企業が想定為替レートを1年前と同じ1ドル=「80円」に設定する要因になったことがうかがえる。なお、期初の対ユーロの想定為替レートで最も多かったのは1ユーロ=105円で、全体の約6割を占めた。

 同調査結果は↓
 http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/2012/1219577_2004.html

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