2012年06月06日-1
今後1年の消費支出、根強く残る節約・抑制志向

 日本リサーチ総合研究所が4月に実施した「消費構造変動調査」(2012年4月調査)結果(有効回答数1154人)によると、過去1年間と比べた今後1年間の消費支出の見通しについはて、「増加・充実」と答えた人の割合は19.6%、他方、「減少・節約」と答えた人は39.3%となった。前回(11年10月調査)と比べ、「増加・充実」志向はおよそ5人に1人へと増加したものの、「節約・抑制」志向はその倍の水準でほぼ横ばいが続く。

 先行きの消費支出全体としては、「増加・充実」志向がやや強まりつつあるものの、「減少・節約」志向も根強く残る状況といえる。今後1年間に消費支出を「増加・充実」させたい人の理由(複数回答)は、「子供が成長したり家族が増える」(49.6%)が最も多く、わずかの差で「いろいろと出費の予定がある」(48.7%)が続き、「耐久消費財に買替え時期のものが多い」(23.0%)、「購入したいものややりたいことがある」(21.7%)などの順。

 これに対して、消費支出を「減少・節約」したい人の理由(複数回答)については、53.3%と半数強が「給与や事業収入が伸びない」を挙げて最多、他の理由を大きく上回る。これに、「将来に備えて貯蓄を増やす」(31.3%)、「物価が上がった」(25.8%)、「失業や仕事の継続に不安がある」(23.8%)が続いた。消費支出の縮小・節約側の理由は、所得・収入面の伸び悩みが恒常的に高いが、その回答割合は前回から6.3ポイント減少している。

 過去1年間と比べた先行きの費目別支出(複数回答)をみると、「増える」費目としては、「医薬品・医療費」(42.3%)、「自宅での食費」(41.1%)、「光熱・水道費」(40.5%)、「子供の養・教育費」(34.7%)、「住宅の修繕や増・改築費」(28.1%)など必需・固定的な費目が上位に並ぶ。また前回と比べてほぼ横ばい、微減が目立つなか、「光熱・水道費」、「住宅の修繕や増・改築」、「生命保険等の保険料の支払い」(20.2%)で増加している。

 反対に、「減る」費目(複数回答)としては、「外食費」(38.2%)、「預貯金」(37.8%)に続き「旅行関連の支出」(22.4%)、「娯楽・スポーツ関連の支出」(21.9%)、「被服・履物費」(21.1%)の順で、裁量性の高い費目が上位にある。また、今後1年間の貯蓄・ローン返済等について、「増えるまたは増やしたい」と答えた人の割合は15.1%、他方、「減るまたは減らしたい」と答えた人の割合は24.6%だった。

 同調査結果は↓
 http://www.research-soken.or.jp/reports/structure/index.html

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