2012年06月04日-3
下請法違反、2011年度は 1190社に改善指導~中企庁

 中小企業庁はこのほど、2011年度の下請代金法に基づく取締状況、「下請かけこみ寺」事業の実施状況等をまとめた。同庁は、公正取引委員会と協力し、下請取引の適正化について親事業者への立入検査など下請代金支払遅延等防止法(下請代金法)の厳正な運用と講習会等の実施による違反行為の未然防止、下請中小企業振興法に基づく振興基準の遵守、「下請かけこみ寺」における弁護士無料相談等の施策を通じ、その推進を図っている。

 親事業者に対する立入検査によって明らかとなった違反行為の中で、特に下請事業者に対する影響が重大な案件については、下請代金法第6条に基づき中小企業庁長官から公正取引委員会に対して措置請求を行うとともに企業名を公表している。2011年度においては、4件(2010年度4件)の措置請求を行った。紳士服等の製造委託で、「値引き」として下請代金の額に一定率を乗じて得た額を下請代金から減額していた例があった。

 2011年度は、違反のおそれのある1319社(2010年度1224社)に対し立入検査等を実施し、うち1190社(同1139社)に対して書面により改善指導を行った。このうち305社には、減額した下請代金及び支払遅延に係る遅延利息について、合計で6億9900万円(同10億2100万円)の支払を指導し、発注時の発注書面の交付の徹底や、下請取引の記録を記した関係書類の保存の徹底に関して指導を行うなど、再発防止についての指導を行った。

 また、「下請かけこみ寺」では下請取引等に関する様々な相談に対して親身な相談対応を行っているが、2011年度の相談実績は4179件(2010年度4468件)。その内容は「下請代金法」に関する相談件数が925件(同928件)、「建設業」に関する相談件数が1021件(同1257件)、「運送業」に関する相談件数が148件(同211件)となっている。さらに、弁護士による無料相談を、2011年度は610件(同646件)受け付けている。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/2012/download/0530Torisimari-2.pdf

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