2012年06月04日-1
関西企業の約7割が「15%以上の節電達成困難」

 大阪商工会議所が実施した「節電要請が企業経営に及ぼす影響等に関する緊急調査」結果(有効回答数73社)によると、現在計画・検討中の節電対策(複数回答)は、多くの企業で「空調の調節」(98.6%)、「照明機器の調整」(95.9%)、「OA機器の調整」(76.7%)などの対応にとどまる。こうした対策で、政府が求める一昨年夏比「15%以上」の「節電が可能」と回答した企業は3割弱(28.8%)、約7割が「節電達成困難」と回答した。

 現在計画・検討中の対策では15%以上の節電率に達しない企業が、仮に15%以上の節電をクリアしようとする場合に、追加実施が不可避となる対策(複数回答)について尋ねたところ、「操業・営業時間の短縮や変更」(56.9%)、「生産設備・事業所・店舗などの一部操業・営業停止/生産・サービスの抑制」(37.3%)といった、事業活動自体に影響を及ぼす対策に踏み込まざるを得ないとの回答が上位2項目を占めた。

 生産・販売コストへの影響については、「現在計画・検討中の対策を実施した場合」は7割台半ば(74%)が「ほぼ影響なし」と回答する一方、「15%以上の節電を達成しようとする場合」には、4割超(43.8%)がコストアップを予想。売上高への影響については、「現在計画・検討中の対策」では8割強(82.2%)が「ほぼ影響なし」とする一方、「15%以上の節電」ではおよそ3割台半ば(35.6%)が売上減を指摘している。

 また、経常利益への影響では、「現在計画・検討中の対策」を行う場合でも、4割近く(37.0%)が「減少」と回答。さらに「15%以上の節電」の場合は、「減少」予想が5割台半ば(56.2%)にのぼる。その減少割合は、「現在計画・検討中の対策」では「1割未満の減益」を予想する企業が8割強(81.5%)であるのに対し、「15%以上の節電」の場合には、「1割~2割未満の減益」が26.8%、「2割~3割未満の減益」が14.6%など減益幅が増加している。

 今夏のような節電要請が今後も続いた場合の経営への影響(複数回答)については、「人件費以外のコスト削減」(49.3%)や「人件費の削減」(34.2%)を挙げる企業が多い。また、「国内での生産・サービス活動の縮小」も約4割(39.7%)にのぼるなど、国内産業の衰退が懸念される回答も多い。そのほか、「国内での設備投資の抑制」(19.2%)や「海外生産の実施・拡大/海外移転」(19.2%)などの影響が挙げられている。

 同調査結果は↓
 http://www.osaka.cci.or.jp/Chousa_Kenkyuu_Iken/press/240529akt.pdf

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