2012年05月31日-4
「東北」の休廃業・解散、191件の大幅増加

 帝国データバンクが5月28日に発表した「休廃業・解散動向調査」結果によると、2011年度の休廃業・解散件数は、前年度に比べ0.5%減の2万5008件となり、3年連続で前年度を下回った。しかし、依然として、2011年度の倒産件数1万1435件に比べて「約2.2倍」の発生件数が続いている。種類別にみると、「休廃業」が1万5723件で前年度比1.3%の増加となり、3年ぶりに前年度を上回っている。

 業種別にみると、外需の恩恵を受けた「製造業」が前年度比10.1%減で、最も大きな減少率となったほか、「卸売業」(前年度比8.5%減)、「小売業」(同3.8%減)、「建設業」(同2.2%減)が減少した。他方、内需低迷の影響を受けた「サービス業」は4500件(同11.2%増)を数え、2年連続で増加し、集計開始の2006年以降で最多だった2010年度(4048件)を大きく上回った。「不動産業」(1431件)も集計開始後最多の件数となった。

 地域別にみると、北海道から中部までの5地域が増加する一方、近畿から九州までの4地域が減少するなど、相対的に東日本地区の増加が目立った。なかでも、東日本大震災の影響を最も受けた「東北」(1928件)が前年度比11.0%、191件増の大幅増加で、全9地域で増加件数トップとなった。東北の2011年度の倒産件数は同27.3%減の402件と大幅減少となっているのに比べ、同地区の休廃業・解散件数の増加ぶりが際立っている。

 今後をみると、円高の再燃、電気料金等の値上げ、消費税増税などの先行き不安要素が山積しており、2012年度の休廃業・解散件数は4年ぶりの増加となりそう。また、現状、休業・廃業状態にある企業は、債務整理の過程で法的整理に移行する事態も考えられ、今後の倒産件数を押し上げる要因となる可能性も十分にあり、帝国データバンクは、引き続き動向に注視する必要があるとみている。

 同調査結果は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p120504.pdf

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