2012年05月28日-4
デフレ基調に変化なし~5月月例経済報告

 厚生労働省がまとめた5月月例労働経済報告によると、一般経済は「景気は、依然として厳しい状況にあるものの、復興需要等を背景として、緩やかに回復しつつある」として、4月の「持ち直している」から「回復しつつある」に上方修正した。先行きについては、「復興需要等を背景に、景気回復の動きが確かなものとなることが期待される」としたものの、4月の判断を継続した。

 経済の指数は、3月の完全失業率(現金給与総額以外は全て季節調整値)は4.5%(前月と同水準)、就業者数は6271万人(2ヵ月ぶりに前月差で減少(17万人減))、雇用者数は5486万人(2ヵ月ぶりに前月差で減少(26万人減))、有効求人倍率は、0.76倍(前月差0.01ポイント改善)、新規求人倍率は、1.19倍(前月差0.08ポイント悪化)、現金給与総額(原数値・確報)は27万7462円で、前年同月比0.9%増となっている。

 個別項目の判断では、個人消費は「底堅く推移」から「緩やかに増加」。輸出は「横ばい」から「持ち直しの動きがみられる」。企業収益は「減少している」から「減少してきたものの、下げ止まりの兆しもみられる」。雇用情勢は「持ち直しの動きもみられるものの、東日本大震災の影響もあり依然として厳しい」から「持ち直しているものの、同」。国内企業物価は「このところ横ばい」から「同緩やかに上昇している」にそれぞれ変更された。

 一方、物価の動向については、「物価の動向を総合してみると、下落テンポが緩和しているものの、緩やかなデフレ状況にある」と、4月報告とまったく同じ表現を使っており、デフレ基調に変化がないことを裏付けている。このため労働経済面では、「雇用情勢は持ちなおしているものの、東日本大震災の影響もあり依然として厳しい」との評価を下している。

 5月報告は↓
 http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/roukei/2012/05/dl/getsurei.pdf

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