2012年05月28日-3
3分の1以上の企業で雇用に何らかのミスマッチ

 商工中金が同公庫取引先企業を対象に1月1日時点で実施した「雇用のミスマッチ等についての中小企業の認識調査」結果(有効回答数5030社)によると、雇用のミスマッチの有無については、「広範に存在する」が4.4%、「一部に存在する」が30.5%、「ほとんど存在しない」が65.1%で、3分の1以上の企業で雇用に何らかのミスマッチが存在することが明らかになった。

 製造業、非製造業別別にみると、「広範に存在する」は同じ数値だが、「一部に存在する」は、製造業が32.9%、非製造業が29.1%と、製造業で割合がやや高くなっている。また、従業員規模別にみると、規模が大きくなるほどミスマッチが存在する割合が多くなっている。規模の小さな企業は、大きい企業に比べ業務分担や職種が必ずしも細分化されておらず、結果としてミスマッチの認識が明確でない可能性がある。

 雇用のミスマッチがある企業を業種別にみると、製造業では加工型のほうが素材型より割合が高く、加工型製造業のなかでは「精密機械」(55.5%)、「一般機械」(49.4%)、「金属製品」(43.9%)などが高い。素材型製造業では「鉄・非鉄」(45.2%)で割合が高い。非製造業では、「飲食店・宿泊」(53.7%)でミスマッチの割合が突出して高い一方、「不動産業」は14.5%と低くなっている。

 ミスマッチのある職種をみると、全産業では「製造・労務」が39.5%、「技術職・専門職」が38.7%と4割に近く、「販売・営業」が33.5%で続く。「事務」(10.5%)、「対顧客サービス部門」(9.5%)、「経営・管理」(8.4%)はいずれも低い。製造業では、「製造・労務」(58.2%)、「技術職・専門職」(49.8%)の割合が高く、現業部門や専門性の高い部門でミスマッチが多い。非製造業では、4割の企業が「販売・営業」のミスマッチを挙げ、割合が最も高い。

 雇用のミスマッチが存在する理由については、能力・資格面の「応募者が自社の希望する能力水準を満たさない」の割合が61.7%、「応募条件を満たす求職者が少ない」が44.5%と高い。この2項目のうち少なくとも1項目を理由として挙げた企業の割合は73.8%にのぼり、応募者の能力・資格面が雇用者側の要求水準を満たさないことがミスマッチの最大の理由となっている。

 同認識調査結果の詳細は↓
 http://www.shokochukin.co.jp/report/tokubetsu/pdf/cb12other05_01.pdf

ウィンドウを閉じる