2012年05月17日-4
4月企業倒産884件、2ヵ月連続の前年同月比減少

 帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、4月の倒産件数は884件で、前月比は15.0%、前年同月比も7.5%の減少となり、2ヵ月連続で前年同月を下回った。東京、愛知、大阪などの都市部を中心に、製造業やサービス業の減少が目立つ。東北(33件、前年同月比22.2%増)は、2011年5月以来11ヵ月ぶりに前年同月を上回った。

 一方、負債総額は1810億6200万円で、前月比は49.4%、前年同月比も31.3%の大幅減少となり、5ヵ月ぶりに前年同月を下回った。負債トップは、電気炉製鋼のアジア特殊製鋼(株)(福岡県)で205億円だった。負債100億円以上の大型倒産が、そのアジア特殊製鋼など3社しか発生しなかったことが、負債総額が大幅に減少した主な要因。前月3月は、負債100億円以上の大型倒産は7件発生していた。

 業種別にみると、製造業(103件、前年同月比36.0%減)、サービス業(164件、同10.4%減)など7業種中4業種で前年同月を下回った。一方、卸売業(147件、同30.1%増)、不動産業(33件、同13.8%増)の2業種は前年同月を上回った。製造業は、プレス製品などの金属製品製造業(7件、同66.7%減)で減少が目立ち、サービス業は、ホテル・旅館(8件、同50.0%減)などで大幅減少した。

 負債額別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は433件発生、構成比は49.0%を占め、11ヵ月ぶりに50%を下回った。一方、負債100億円以上の大型倒産は3件にとどまった。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満が461件、構成比は52.1%を占めた。中小企業・小規模企業をみると、全体の99.9%の883件が中小企業に該当し、小規模企業は782件で88.5%を占め、小規模・零細企業の倒産は高水準で推移している。

 同倒産状況の概要は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/tosan/syukei/1204.html

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