2012年05月16日-2
2011年度は19件の広告に警告~JARO

 広告・表示についての民間の自主規制機関である日本広告審査機構(JARO)はこのほど、2011年度(2011年4月~2012年3月)の審査処理状況をまとめた。受付総件数は4580件で、「苦情」、「意見」が減少したものの「照会」は増加した。業種では「小売業」、「一般食品」が多く、媒体では「テレビ」、「インターネット」が多かった。一般からの相談は全体の約7割を占め、男性からの相談割合が増加傾向にある。

 受付総件数4580件のうち、匿名でないなどの要件を備えた「苦情」は258 件、それ以外の「問い合わせ」は4322 件。「問い合わせ」の内訳は、「苦情」の要件を満たさないものの、内容は苦情と同様である「意見」が2514件、広告制作に当たっての相談などの「照会」が1342件、番組や記事などの相談である「広告以外」が466件。広義の苦情である「苦情」と「意見」を合わせた件数は2772件で前年度より減少したが、「照会」は増加した。

 「苦情」と「意見」を業種別にみると、小売業、一般食品、通信の順。小売業の内訳では通信販売135件と専門店115件が多い。増加したのは「一般食品」(158件→216件)、「コンピューター・通信機器」(89件→101件)で、2010年度末にACジャパンのCMへの意見が急増して1位だった「行政・団体」は例年並みに戻り4位。また「一般食品」は、3月放送のアイドルグループが出演する菓子のCMへの意見が79件寄せられ増加した。

 受付総件数の約7割を占める「一般」からの相談は3257件で、男性2218人、女性973人、不明66人となった。男性の割合が年々高まっており、年代別では「30代」、「40代」が多く、近年増加傾向にあった「60代」、「70代以上」が減少した。近年は、特定のテレビCMに集中的に意見等が寄せられる事例がある。ブログなどで「JAROに意見を言おう」という書き込みが契機になっていることが多いという。

 事業者などからの広告制作や広告受付に係る相談である「照会」は1342件で、前年度1278件から増加した。また、JAROでは業務委員会で審議し、広告主などにその見解を発信して広告の適正化を促しているが、2011年度は警告19件、要望5件、提言3件の計27件の見解を出した。ネット通販に関する事例が多く、ドロップシッピングに関係する事例では複数の事業者が関わっているなど、全容を把握するのに時間を要したケースもあった。

 発表の全容は↓
 http://www.jaro.or.jp/kigyou/soudan_kensuu/toukei/20120510release23.pdf

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