2012年05月09日-3
12年度中小企業の経常利益予想、依然厳しさ続く

 大阪商工会議所がこのほど発表した「中小企業の経営課題と海外展開に関するアンケート調査」結果(有効回答数275社)によると、今年度上半期(4月~9月)の経常利益予想は、「前年度並み」とする企業が全体の4割弱(38.5%)、「減少」が3割強(31.3%)、「増加」が3割近く(27.6%)となった。震災の影響の大きかった前年度と比較しても、依然「減少」が「増加」を上回り、厳しさが続く状況にある。

 経常利益減少の主な理由(3つまで回答)は、「国内市場で競争激化(国内製品・サービスとの競合)」(45.8%)が最も多く、次いで「取引先企業からの値下げ要求」(42.1%)も4割強から指摘されている。他方、「国内市場での競争激化(輸入品との競合)」(18.7%)と「海外市場での競争激化」(13.1%)は合わせて3割を上回っており、中小企業においても海外企業との競争激化がうかがえる。

 自社が直面し重点的に取り組みたい経営課題(4つまで回答)については、「人材の確保・育成」(53.5%)が最多、「既存事業の販路・市場拡大」(52.4%)、「新しい収益源の確立(40.7%)、「既存製品・サービスの高付加価値化」(36.0%)、「新しい事業分野への参入」(26.5%)など、前向きの取組みが上位に続く。他方、「人件費抑制・過剰雇用対策」(9.1%)や「不採算事業の立直し・撤退」(8.0%)など、リストラの類は比較的少なかった。

 生産・販売などの海外拠点の展開状況では、「すでに展開している」企業は約2割(20.4%)、「現在は展開していないが、計画・検討中」(5.5%)、「計画・検討には至っていないが、関心はある」(18.9%)を合わせると、海外を視野に入れている企業は4割台半ばに達する。 「すでに海外に拠点を展開している」企業のその具体的内容(複数回答)は、「営業・販売拠点」(51.8%)、「生産拠点」(48.2%)、「調達拠点」(42.9%)が多く挙げられた。

 海外展開先の国・地域(複数回答)は、「中国」が7割強(71.4%)で圧倒的に多く、「東南アジア」(28.6%)が続いた。ただし、海外を視野に入れている企業全体が、今後設置の計画・検討・関心がある国・地域(複数回答)では、「東南アジア」(55.3%)が最多で、「中国」(35.0%)を約20ポイント上回っている。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.osaka.cci.or.jp/Chousa_Kenkyuu_Iken/Iken_Youbou/k120502ankt.pdf

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