2012年05月09日-2
下宿学生の1ヵ月平均の収入、最低の11万8900円

 全国大学生活協同組合連合会はこのほど、2011年10月に行った第47回学生生活実態調査をまとめた。調査結果(有効回答数8498人)によると、アルバイト代や仕送り、奨学金などを含む下宿生の「収入」は4年連続で減り続けており、1ヵ月平均11万8900円と1990年以降最低の金額になったという。仕送り額が最も多かった1996年に比べると3万2460円のマイナスで、約3割も減少したことになる。その理由はやはり親の収入減だ。

 入ってくるお金が少ないなら、節約に励むか、アルバイトをするしかない。しかしアルバイトの賃金も月2万1540円と、前年より360円のマイナス。さらに、9年間増加していた奨学金も1390円減の2万5350円に減少。支出面をみると、当然毎月の食費も減り、前年から920円減の2万2590円と、1963年の調査開始以来、最低金額を記録した。これは1976年の1ヵ月の食費2万2970円を下回る金額だ。

 これではさぞかし大変だろうと思うが、意外にも当の大学生たちの暮らし向きに関する意識を見てみると、「自分は楽なほう」だと思う割合が前年の40.1%から43.8%に増加している。金額の縮小と暮らし向きの感じ方が必ずしも一致していない。これには、物価の低下などさまざまな理由が考えられるが、その一つとして「子供が、がんばっている親の姿を見ていること」、さらに東日本大震災の影響も見逃せない。

 昨年3月11日の東日本大震災以降に感じたことや行動のうち、積極的に変化したのは女子に多いことが分かった。「防災についての意識」では男子(66.1%)に対し77.7%にのぼる。また「社会貢献への気持ち」でも男子の56.2%に対し、89.1%となっている。ところで、就職活動については、就職活動のための費用が5年前に比べ文系1.6倍、理系1.3倍に増えており、就活が下宿生のストレスをいや増している。

 同調査結果は↓
 http://www.univcoop.or.jp/press/life/report.html

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